AEDの契約形態は?AEDの価格や補助金について
急な心疾患等によって「心室細動・心室頻拍」を起こして人が倒れた際に、適切な応急処置ができるよう、空港や駅、公共施設といった人が多く集まる場所を中心に、AED(自動体外式除細動器)が設置されています。万一、従業員やお客様が倒れてしまった場合に備えて、自社内や構内にAED設置を検討している方も少なくないでしょう。
そこで、この記事では、AEDの契約形態や価格、設置に関する補助金・助成金についてご紹介します。
目次
AEDとは?
AEDとは「Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)」の略称で、急な心疾患によって心室細動・心室頻拍と呼ばれる突然の不整脈に電気ショックを与えることで心臓を正常な状態に戻すための機器です。急に人が倒れて意識がない場合、心室細動・心室頻拍を起こしている可能性があります。AEDは、救急車の到着や病院へ搬送されるまでの間、救命措置を行うために使用される重要な医療機器です。
2004年から一般の人でもAEDを使用して人命救助措置を行えるようになりました。また、音声ガイド機能や搭載した液晶ディスプレイで手順ややり方を指示してくれるなど、初めて使う人でも適切に使用できるように設計されています。
日本心臓財団「AEDって、何ですか?」https://www.jhf.or.jp/check/aed/aed/
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AEDを設置するには?
AEDを設置するには、購入のほかにレンタルやリースという手段があります。
ここではAEDの設置に際し、購入、レンタル、リース、それぞれのサービス内容の違い、メリット・デメリットについてご紹介します。
AEDを購入する場合
AEDを購入する場合は、各AEDメーカーおよび販売代理店などで購入することができます。AED本体のみを購入した場合は、定期交換品を都度購入する必要がありますが、販売店によっては購入時に定期交換品に関するプランを選択できる場合もあるため、それらの活用もおすすめです。
たとえば5年間定期交換品込みのプランを選択した場合、購入後5年間は定期交換品を新たに購入する必要はありません。購入の場合、まとまった初期費用はかかりますが、ランニングコストを抑えられる点がメリットです。
なお、計上される勘定科目は固定資産として計上される場合や少額資産として計上される場合に分かれます。
AEDをレンタルする場合
AEDをレンタルする場合は、各AEDメーカーおよび販売代理店から直接レンタルします。
AEDをレンタルするメリットは、初期費用が抑えられる点と電極パッドなどの消耗品の定期交換、使用した消耗品の交換がレンタル料に含まれていることです。また、リース資産として資産計上されることなくその契約期間にわたり「賃貸リース料」として費用計上されます。ただし契約内容に関してはサービスごとに異なるため、機種、サービス内容、料金を確認しましょう。
強いてデメリットを挙げるなら、中途解約した場合に解約金が発生することや、レンタル販売店によっては本体が新品ではない可能性があることでしょう。
AEDをリースする場合
リースの場合、レンタルの場合と特徴やメリット・デメリットはあまり変わりません。リースは利用者と販売店をリース会社が仲介しての三者間契約になるため、その点が利用者と販売店の二者間契約であるレンタルと異なります。
一般的に商品の購入金額をユーザーが決め、その上でリース会社がリース料率を設定し、毎月のリース料金が決まります。サービスによってはさまざまなオプションを付加することも可能です。また、動産総合保険がついている場合も多いため、天災や盗難に関しても補償されています。ただし、契約期間中の途中解約や買い取りが不可能な場合があります。なお、リースで取り扱われるAEDは基本的にすべて新品となります。
また、会計処理は金融商品取引法適用会社か否か、資本金や負債総額による規模、業種によって異なりますが、「賃貸リース料」として費用計上される場合、「リース資産」として資産計上される場合に分かれます。
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AEDの設置にかかる費用・価格
AEDを設置する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、購入した場合にかかる費用とレンタル・リースにかかる費用について解説します。
初期費用・購入費用
AEDを購入する場合、初期費用としてAED本体の購入代金が発生します。AEDの本体代は一般の人が使用できるものであれば基本的に約20~50万円が相場となります。なお、レンタルやリースの場合、初期費用は発生しませんが、設置環境やオプションによって初期費用がかかる場合があります。
レンタル・リース料
AEDをレンタル・リースする場合、月額4,500~9,000円が相場となります。レンタル・リースは基本的に5年契約となるため、総額で27~36万円かかります。
総額で考えると購入するよりも高く感じるかもしれません。しかし、レンタル・リース料には消耗品の交換費用が含まれていることが多く、実際に使用した際も安心です。
消耗品の交換費用
AEDに付属しているバッテリーや電極パッドは、未使用であっても交換時期を迎えたら新しいものと交換しなければなりません。AEDを購入する場合、バッテリーや電極パッドといった消耗品の交換費用が別途発生することがあります。部品の交換費用は、下記のとおりです。
- バッテリー(約4年で交換):約3~4万円
- 電極パッド(約2年で交換):約1万円
AEDを購入する場合、保証期間中(5年間)にバッテリーは1個、電極パッドは2個交換することになります。そのため、初期費用を合わせるとトータルで25~41万円の費用が発生します。
なお、電極パッドの再利用はできないため、一度AEDAEDを使用した場合は新たに購入しなければなりません。
また、先述したとおり、消耗品の交換を含めた購入プランが用意されていることもあります。プラン内容を確認してから、購入することをおすすめします。
AEDを購入・設置する際に受けられる補助金や助成金
AEDを設置する際、補助金制度や助成金制度を活用できる場合があります。ここでは、AEDに関する補助金や助成金について、ご紹介します。
補助金・助成金の種類
AEDに関する補助金や助成金の種類にはおもに2つがあります。1つ目は、各地方自治体が設けている公的な補助金や助成金、2つ目は事業財団などが設ける自治体以外の助成金です。地方自治体の補助金や助成金は、都道府県単位ではなく市区町村単位で設けられているものがほとんどです。
たとえば東京都大田区では、AEDの購入・設置に際し、初期費用などを補助してくれます。また自治体以外の助成金は「日本スポーツ振興センター」や「自治総合センター」、「あんしん財団」などの事業財団が補助金・助成金制度を設けています。
補助金・助成金の対象
各企業や団体なども対象に含まれますが、地方自治体の補助金・助成金では保育園や自治会、消防団などの防災組織、商店街などが補助金・助成金を受けやすいとされています。
ただし、「消費税の確定申告義務がある団体」と「町会や自治会等の消費税の確定申告義務がない団体」で補助金額は異なります。
また、事業財団による補助金・助成金は財団が取り組む事業内容に即した活動を行っている団体がおもな対象です。「日本スポーツ振興センター」ならスポーツ団体、「あんしん財団」であれば中小企業などが補助・助成を受けやすいでしょう。
補助金・助成金の支給元
補助金・助成金の支給元は、基本的には制度を設けている自治体や事業財団です。また、一部団体では、補助金・助成金の資金がどう調達されているか明示しているケースもあります。たとえば「日本スポーツ振興センター」の場合は「toto」などのスポーツくじ、「自治総合センター」なら宝くじの収益金が補助金・助成金のための資金となっています。
補助金・助成金の申請方法
AEDの設置を推進するため、単独で補助金・助成金制度を設けている自治体や事業団体もあれば、「防災設備」の一環として補助金・助成金を設けている自治体もあります。申請方法については、補助金・助成金制度を設けている自治体や団体の公式サイトで確認することができます。
・AED単独で補助金・助成金を設けているケース
出典:24時間AED設置補助事業について(東京都大田区)
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/hoken/iryokikan_hoka/aed/24th-aed.html
出典:集会施設自動体外式除細動器(AED)設置費補助金申請書(愛知県小牧市)
http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/shinseisho_dl/machidukuri/13/38031.html
・防災設備の一環として補助金・助成金を設けているケース
出典:防災資機材購入補助(福井県福井市)
https://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/bosai/bosai/sikizaihozyo.html
AED設置にともなって補助金を申請する際の注意点
補助金制度によっては、補助金の対象となる施設の種類や性質などで基準が設けられている場合があるため、補助金を申請する場合は事前に自治体や団体の公式サイトなどで受給資格を満たすか確認する必要があります。
ALSOKのAEDサービスは導入から管理・講習までをトータルサポート
AEDは一般の人が使用できる救命措置のための重要な医療機器です。人が多く集まる場所や建物には必需品といえます。
そこでおすすめなのがALSOKのAED販売・レンタルサービスです。警備会社のノウハウを活かした独自の管理システムで、AED本体の耐用期間や消耗品の交換時期を管理します。そのため、いざという時に安心してAEDをお使いいただくことが可能です。
購入・レンタル・リースそれぞれに対応しており、さまざまな用途や設置環境に合わせたラインナップを揃えております。
また、導入・設置するだけではなく、スタッフ・従業員が迷いなく使用できるよう使い方を学ぶことも大切です。AEDの使い方が分からないという場合には、心肺蘇生法やAEDの使用方法についての簡易的な講習も実施しております。
ALSOKのAEDサービスは、導入から管理、講習までをトータルサポートしておりますので、AEDの設置を考えている場合は、ぜひご相談ください。
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まとめ
日常生活の中でいつAEDを使用する機会に立ち会うか分からず、そのときは突然くるものです。記事の冒頭でも述べたように、一般の人でもAEDを使用して救命措置が行えるようになり、今後も設置の波は広がっていくでしょう。AED設置の際に受けられる補助金制度もあわせて確認し、万全の状態を整えて安心して過ごせる職場環境を整備しておきましょう。