電車の防犯カメラの設置状況とその効果
車内での迷惑行為を抑止することを主な目的として、防犯カメラが設置された車両を導入する鉄道会社が近年増えています。
電車をよく利用する人にとっては、防犯カメラが車内に設置されることでどのようなことが起きるのかは気になるポイントでしょう。
本記事では、電車の防犯カメラの設置状況や電車内に防犯カメラを設置することの効果について、解説します。
増える電車内の防犯カメラ
近年、迷惑行為を抑止して車内セキュリティを向上させることを目的に、電車内に防犯カメラを設置するケースが増えてきています。
ALSOKが2015年に行った調査では、電車内に防犯カメラを設置した方が良いと答えた人は、40.5%にのぼっていることから、電車を利用する人のニーズが高いこともわかります。[注1]
[注1] ALSOK アンケート
各車両に4台の防犯カメラが設置されるケースが多くある
電車内に設置された防犯カメラは、車内の4箇所に設置されるケースが多くあります。
設置場所はさまざまで、天井、ドア上部などが挙げられます。
また、鉄道会社によっては、防犯カメラが作動している旨を示すステッカーが掲載されていることがあります。
蛍光灯と一体型の防犯カメラ
鉄道車両に防犯カメラを設置する場合、車両に埋め込むような形での設置となることが多く、そのことが防犯カメラの設置台数を増やすことにとってひとつのネックになっていました。
しかし最近では、「車両の天井に取り付けられている蛍光灯と一体型の防犯カメラ」も登場しています。
これは従来の蛍光灯と同等の長さで、蛍光灯部分を少し短くしたうえで端の黒い部分に防犯カメラなどを内蔵する形になっているので、既存の蛍光灯と取り替える形での設置が可能です。
電車内で起こりうる犯罪やトラブル
電車内における犯罪の最たるものとして、痴漢が挙げられます。たとえば、警視庁が発表した「都内における性犯罪(強制性交等・強制わいせつ・痴漢)の発生状況(令和元年中)」によれば、都内で発生した痴漢のうち、45%が電車内となっています。[注2]
車内暴力や窃盗のリスクもある
電車内における犯罪、トラブルは痴漢だけではありません。乗客同士のトラブルによる暴力事件のリスクもあります。また窃盗の被害に遭ってしまうリスクも考えられます。
これらのリスクを回避するためには、満員電車を避けるといった対策を取ることが大切です。ですが、それだけでは被害の防止や被害に遭った際の証拠確保にはつながりません。そのため、電車内の防犯カメラ設置が期待されていたといえるでしょう。
防犯カメラを設置する3つの目的
防犯カメラを設置する目的のひとつに、「車内での迷惑行為の防止・抑止」が挙げられますが、車内での迷惑行為の最たるものが痴漢です。
朝夕のラッシュ時などに、多くの人が利用する沿線では痴漢行為が多発しており、痴漢をいかにして減らすかは鉄道会社の懸念事項のひとつとなっています。
1防犯カメラの映像は痴漢が行われたときの証拠となる
痴漢を行った人を捕まえるには、その現場をおさえるのがもっとも効果的です。
しかし、都合よく痴漢行為の現場をおさえられるわけではありません。
車内に防犯カメラがあることで、カメラで録画された映像が痴漢行為を証明するための決定的な証拠になる場合があります。
痴漢を行った人がどれだけ「自分はやっていない」と訴えようとも、録画された映像という動かない証拠があれば、逃れることはできません。
また、痴漢行為の現場そのものを録画できていないとしても、防犯カメラの存在が犯人を特定する助けになる可能性もあります。
2冤罪を防ぐ役割も果たす
防犯カメラで撮られた映像が痴漢を行った犯人の特定に役立つということは、言い換えれば「冤罪を防ぐ役割」も果たしてくれる可能性があるということです。
混雑した車内での痴漢行為は、犯人の特定が困難な場合が多いです。
被害にあった人が、間違えてまったく無関係の人を犯人として指摘してしまう可能性があります。
その人が実際には無関係であったとしても、「あの人が犯人だ」という雰囲気になれば、無実を主張しても受け入れられるのは難しくなります。
防犯カメラの映像があることで、真の犯人を取り逃がして無関係の人を犯人として指摘してしまう可能性を少しでも下げることが可能になります。
痴漢冤罪はその人の人生を壊してしまいかねません。
痴漢が行われたときの様子を客観的に判断できる防犯カメラの存在は、非常に重要です。
3防犯カメラの存在は痴漢に対する抑止力として働く
痴漢が行われた際に犯人を特定することはもちろん重要ですが、痴漢行為を未然に防ぐことも重要です。
痴漢行為を受けた人はその後、PTSDなどで苦しむことも多く、以前と同じような社会生活を送れない方も多くいるからです。
防犯カメラの存在は痴漢を行おうと考えている人に対して、「自分が痴漢をしているところが録画されてしまうかも」と考えさせる要因になるので、痴漢行為に対する抑止力となります。
最近のカメラはどんどん高性能になってきており、映像を見るだけで人物の特定が行えることで大きなプレッシャーを与えます。
すべての人が安心して電車を利用できる環境づくりのために、車内の防犯カメラが担う役割は非常に大きいと言えるでしょう。
車内での迷惑行為の抑止のために電車の防犯カメラは非常に重要
迷惑行為の抑止のために車内に防犯カメラを取り付けている鉄道会社が少しずつ増えてきました。
車内での迷惑行為の最たるものは痴漢行為であり、防犯カメラを設置することで痴漢を行った犯人を特定したり、痴漢冤罪を防いだりといった効果が期待されています。
また、防犯カメラの存在そのものが痴漢行為に対する抑止力にもなりえるので、車内の防犯カメラの存在は非常に重要です。
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