みんなの家・西尾久では、認知症の高齢者の方にご入居いただいています。みなさん最初は慣れない環境ですし、他の入居者様と上手にお付き合いできるか等、不安も抱えていらっしゃいます。
　そんなことないんですよ、という思いをお伝えするために、本当の家族のように、毎日心を砕きながら接し、折に触れて「ありがとう」と言葉に出すことを大切にしています。二週間、一ヵ月と過ぎ緊張がほぐれるにつれ、入居者の方の表情が明らかにリラックスしたものに変わってくるのを見ると、本当に嬉しくなります。
　介護をしたいというよりは、一緒に暮らしていきたい、うまくお手伝いをしたい、そんな思いで日々入居者様と向き合っています。
　もちろんマニュアルは大事ですが、まずは入居者様と家族になった気持ちで向き合うことがスタートだと考えています。入居者様お一人お一人の症状が違いますし、発するシグナルにも差があります。日々健康状態だって変わりますから、介護目線というよりは、一緒に伴走するようなかたちで過ごすことを目指しています。
　すべてが計画通りに進むわけではありませんし、思わぬ事態にも遭遇します。それでも、自宅に帰って子どもを抱きしめれば、疲れなんて吹っ飛んじゃいますね。次の日もまた頑張れます。