警備から人事へ。
キャリアの軸は社会の役に立つこと

森 太郎

人事部
日本大学
2005年入社(機械警備)

CareerStory#04

1年目

城南支社

警備のプロとして人命救助にも貢献

新卒で東京都港区にある城南支社の機械警備隊に配属され、約3年半にわたり、ホームセキュリティなどのセキュリティシステムが異常を検知した時に、バイクなどで駆けつけて対応する業務に携わっていました。

誤報(警備セット中に誤って入室してしまうことなどによる誤った警報)も多いですが、もちろん気は抜けません。火災や侵入者の逃走といった重大なトラブルの場合もあります。私たち機械警備隊員は、戸締りや窓ガラスなど周辺の状態を目で確認した後に、建物の中に入り異常がないか探索します。そして、異常があった場合には必要に応じて警察や消防などの関係機関に緊急通報し、被害の拡大防止に努めます。

印象に残っている出来事は、「ライフリズム」関連の現場です。ライフリズムとは、一定時間以上トイレや台所のドアの開閉がない場合にお客様に異変が起きていると判断し、警報を出すシステムです。ある日警報が鳴り駆けつけたところ、倒れている方がいらっしゃいました。すぐに救急通報と応急処置をした結果、お客様は何とか一命を取り留めました。親族の方から感謝の言葉をいただき、ご本人様とも直接お話しできました。

他の民間事業ではなかなか経験できない、本当の社会貢献ができたと強く感じたのを覚えています。警備の仕事を選んで良かったと実感しました。

機械警備の仕事をするなかで、警備システムそのものの仕組みを深く理解し、警備計画そのものを立案するなどして、もっとスキルや経験を磨きたいと思うようになりました。

4年目

在外勤務(ドミニカ共和国)

海外勤務を経験し、より広く社会に貢献したいと思うように

海外の日本大使館に警備の専門家として赴任する「在外勤務」の社内公募に応募し、中南米のドミニカ共和国に赴任しました。この仕事の主な役割は、現地の日本大使館や大使公邸などの警備計画の立案などです。

現地で最初に取り組んだのは、現状把握です。柵や防犯カメラなどの設備の劣化状態を把握して、必要に応じてリニューアルすることからスタートしました。

また、大使館では海外の要人を招いて会食などをする機会もあるため、その警備計画も担当しました。外務省の研修を受け、現地ならではの警備の特性などを学んではいましたが、日本での警備とは違う点が非常に多く、抜け漏れがないよう、関係各所と綿密にやりとりして進めていきました。

赴任中の一番大きな出来事は、2010年に隣国のハイチで起きた地震です。ハイチの首都が壊滅状態になり、空港が使用できない事態に。国際支援に来た日本の自衛隊などの飛行機がドミニカ共和国の空港を利用することになり、エアラインの調整に携わりました。その時はALSOKの社員にとどまらず、日本を代表しているくらいの意識で取り組みましたね。

在外勤務を経験し、会社の中の自分という視点から、世界の中の日本、そして日本のビジネスマンとしての自分といった視点へと変わりました。自分がALSOKでどのように行動すれば、社会的により大きな貢献ができるのか。国際標準で考えて何が正しいのか。20代にして本質的に物事を考える力を身につけられたのは、その後のキャリアにおいて非常にプラスになっています。

6年目

採用部

ALSOKグループの採用活動の一元化に挑戦

帰国後、城南支社で機械警備隊の副隊長・隊長としてマネジメントを1年間経験した後、社内公募に手を上げ、本社の採用部に異動しました。警備の仕事にもやりがいを感じていたのですが、現場・海外勤務・マネジメントを経て、より規模の大きな仕事にチャレンジしたいと考えるようになりました。

当時の採用部では、それまでALSOKグループ各社がバラバラに行っていた採用活動をグループ採用として一元化する取り組みを始めるタイミングでした。

採用に関する知識が全くなかったので、現状を把握することからスタートしました。採用活動のトレンドや経営陣が問題視している課題などを自分なりに整理し、1年かけてある程度の体系化を実現しました。

7年目

人事部

時代のニーズに合わせた働く環境づくりに注力

7年目以降は人事部で、いかに社員に休みを取ってもらうか、いかに社員のエンゲージメントを高めるかなどを考え、制度やルールをつくる仕事に携わっています。

人事の仕事は、新しい法規制や世の中の流れに応じて変化するものです。その都度、関連する法律を学び、現状を整理して積み上げてきました。

人事に配属された当初は、会社の収益と費用のバランスを改善するため、業務量に対して最適な人員配置を考えていました。社員1人の人件費が、経営にどれだけのインパクトがあるのかをシビアに考えていた時期です。

10年目

人事部

働き方改革を推進し課題を一つひとつクリアしていく

2015年頃から働き方改革の動きが始まり、関連する法律が相次いで改定されました。それに伴い、私たち人事の役割も人的コストの最適化から社内の働き方改革推進へとシフトしました。

ALSOKの文化として、コンサルなど外部に丸投げせず、社員が努力して知見を得て取り組むという文化があります。当時は課長代理だったので、若いメンバー数人と協力し、社労士の先生に相談するなど勉強しながら、法律と社内の現状を照らし合わせ、改善すべき点を一つひとつ洗い出し、施策を立てていきました。

実行フェーズでは、施策の結果を分析して試行錯誤を続けます。現場の声を聞きながらの行動変容は簡単ではありません。まだ志半ばですが、確実にALSOKの働き方改革は進んでいます。

15年目

人事部

人事の仕事のかたわらMBA取得を目指す

課長に就任し、これまでの業務に加え、経営企画や組織再編、M&Aなど業務領域が大きく広がりました。買収した会社の人事責任者として他部署と連携しながら、経営戦略にマッチした人事制度をすり合わせるなど、より広い視野が必要な仕事が増えました。

人事領域は、M&AでALSOKグループとなった会社の社員にとって、定年までずっと関わりがある大切なものです。だからこそ、綿密に準備をして説明し、現場に溶け込ませるプロセスを大切にしています。

現在は業務のかたわら、会社の制度を活用してMBA経営学修士取得を目指して大学院に通っています。過去の事例をもとに、異業種の方や経営者の方などとディスカッションをする機会が多く、沢山の気づきを得られています。ゆくゆくはその知見を活かし、ALSOKがこれまで以上に社会に貢献できる新しい事業を立ち上げたいですね。ALSOKは、そういった価値創造を実現できる力がある会社なので、挑戦できる日を楽しみにしています。

私のPRIDE

ALSOKならではの誇りは、困難な状況で社員たちが「社会のために役に立ちたい」という思いで行動できる点です。直近の例で言えば、新型コロナウイルスの軽症者を受け入れたホテルの警備を担当しました。警備の知見・技術を活かせる領域を探し、社会や人の役に立つために行動するという文化が、浸透しています。そんなALSOKに、誇りを感じています。

学生のみなさんへのメッセージ

「就職はゴールじゃないよ」と伝えたいです。色々な迷いなどもあると思いますが、自分のやりたいことに向き合ったうえで、ご縁のあった会社でまずは頑張ってほしいと思います。もし、やりたいことができそうであれば引き続き努力し、違うと思えば別の場所でチャレンジすればいいだけです。私自身、「人の役に立つ仕事をしたい」という思いを叶えられるからこそ、ずっとALSOKで働いています。

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