経理の知識・経験を活かし、
様々な領域にチャレンジ
白石 知宏
経営企画部
早稲田大学大学院
2012年入社(経理)
CareerStory#08
1年目
経理部(※現在、当該業務は総合事務部にて実施)
座学と実務の違いを実感。社会人としての基礎を身につける
4年目
経営企画部
失敗を乗り越え、会社全体を見られるように
事業計画の立案、M&A(企業買収・合併)の買取価格を決定するために行う買収対象企業の財務などを調査するデューデリジェンス(DD)事務局の補佐などを担当しました。
入金会計という一部分を専門に行う仕事から、会社全体の組織を見る仕事にシフトしたのは、キャリアにおける大きな転換点でした。
各セクションからあがってくる案件を、基準に照らして金額が妥当なのかなどを厳密にチェックし、承認是非の判断を行っていました。案件の確認を通して、各セクションがどのような方向を目指しているのかが手に取るようにわかり、視野が広がりました。
また、DD事務局の補佐で初めて外部のプロフェッショナルの仕事に触れたのも非常に勉強になりました。的確なヒアリング、成果物の完成度、納期、全てにおいて当時の私にとっては桁違いで、「仕事とはここまで高めなければいけないんだ」と感じました。会計士など専門家の方たちとディスカッションするなかで、企業価値の判断基準など多くの学びがありました。今でも当時の資料を見返して、参考にしています。
事業計画の立案に関しては、苦い経験があります。私の理解が浅く各部署からの予算に関する要望を断れなくて、想定していた会社の予算を大幅に超えてしまいました。
その際、上司と一緒に各部署や役員に謝罪して予算カットをお願いし、多くの人に迷惑をかけてしまいました。それ以来、実現可能性を厳しくジャッジし、確実な仕事をするよう意識しています。
6年目
総務部CSR推進室(※現在、当該業務は経理部にて実施)
会計の知識を活かして監査に挑戦
CSR推進室の財務報告に関する内部統制のチームに配属されました。内部統制のチームは経理とは独立した組織として、会社の経理を監査する役割を担っています。実際に監査を行う監査部は業務監査のプロである一方、会計の視点から監査する知識は不足しているため、私たちが企画や調整、監査法人とのやり取りをしていました。
監査そのものは監査部に任せていましたが、監査法人にどのような監査をしたのかなど全てを説明する必要があるため、会社組織や規程だけではなく、受注などの運用フローも理解しなければいけません。監査法人からの指摘が発生しないよう準備をするにあたり、学生時代に学んだ監査論の知見が役立ちました。
当時はM&Aによりグループ会社が増えていたので、会社ごとに異なるプロセスを理解するとともに、親会社であるALSOKの基準に合わせてもらうために、グループ会社に具体的な改善点を説明していました。それぞれの会社のメンバーに寄り添い、独自の文化を壊さずにALSOKの基準に合わせるのは、難しい部分もありましたが、とても面白かったですね。
10年目
株式会社らいふ
M&Aで子会社化した介護会社に出向し、マネジメントを経験
介護事業を展開する株式会社らいふに出向し、経理財務室の次長として初めてマネジメントに挑戦しました。
らいふはM&Aをしてグループ会社になった企業で、出向する前には私が監査を担当していました。改善点を伝えた翌年に出向し、らいふの社員と一緒に自分で変えていくことになったというわけです。
初めてのマネジメントかつ出向でしたので、やりかたを押し付けているという印象を与えないよう、配慮をしながら進めていきました。優しいメンバーに恵まれたのですが、やはり監査でやりとりした時とは立場が違うので、戸惑った部分もありました。
私が注力したことは、現場のみなさんが数字を追えるように必要な指標を表にまとめ達成度がわかるようにするなど、ベースを整えました。らいふの社員の方々と一緒に規程を作成するといった土台づくりに携われるのが面白かったですね。
11年目
経営企画部(データ利活用チーム)
データに基づいた意思決定ができる組織づくりに注力
2022年の中期経営計画でデータ活用への取り組みが発表され、経営企画部内にデータ利活用チームが発足しました。それに伴い、出向から戻りチームに参加することになりました。
メイン業務は、さまざまな場所に点在する膨大なデータをまとめることです。また、データの蓄積や分析を効率化するツールの普及など、現場データを活用しやすい環境づくりにも取り組んでいます。
当社のセキュリティ科学研究所の開発者と組んで、データ利活用の方法を検討する場面もあります。開発者はデータ分析や統計の知見は持っていますが、現場の業務には詳しくないので、私たちが通訳者のような役割をしています。
また、東京大学が実施しているデータサイエンティスト養成研修を受けて、自分たちでもデータ分析ができるよう勉強しています。開発者との共通言語ができて、ようやく橋渡しができるようになったところです。
今後の目標は、各組織がデータファクトに基づいた意思決定ができるよう具体的な取り組みを進めることです。データ統合など土台は整ったので、いかに分析するかが重要なフェーズだと考えています。
経理の知識・視点は様々な業務で活かせるので、次のポジションは何だろうとわくわくしています。経理というと日々のお金の流れに関する作業をする仕事だと思われがちですが、これからの時代は経理の知識・視点を活かした様々な提案が求められる時代になるはずです。新入社員や若手の経理が、分析などのスキルを身につけられるようサポートしていきたいですね。
私のPRIDE
ALSOKグループは、警備事業をはじめ介護など人々の生活に欠かせない事業を幅広く展開しています。経理のプロとしての専門性を活かしつつ、社会の安全・安心に貢献できるので、日々大きなやりがいと誇りを感じながら仕事に取り組めています。
学生のみなさんへのメッセージ
ALSOKの経理は、既存の経理の枠にとどまらない様々な経験ができる点が魅力です。機械警備などさまざまな事業部がありますが、どの事業でも足元の数字を読み解いて、施策を立てる必要があり、経理の知識・経験を活かせます。「経理の仕事はAIに奪われる」と聞いたことがあるかもしれませんが、経理が活躍できるフィールドはたくさんあるので、安心して挑戦してほしいです。
主に入金会計を担当していました。入金会計とは、会社が取引を行った結果入ってきた売掛金を月次でチェックして、入金漏れがないかを確認する仕事です。
大学や大学院で会計の勉強をしていたものの、座学と実務は全く違いました。取引を科目別に振り分ける作業ひとつとっても、その背景を意識しなければいけません。例外的な事象が起きた場合に、原因を突き止めるのも実務ならではの難しい作業だと感じました。
営業担当やお客様とやり取りしながら、社会人としての基礎を身につけました。また、スキル的な面でも非常に勉強になりました。業務を効率的にするために必要な明細を探すために、当時の経理部長が作成したExcelのマクロ関数を参考に、他の作業で使えるようにカスタマイズした経験が後の業務でも活きています。