公正な事業慣行

ALSOKは、日本の警備業を代表する企業として、適正な警備業務の提供とコンプライアンスに力を注ぎつつ、新たな支柱となる事業においても、倫理的に正しく行動しています。

ALSOKの企業倫理

 お客様やお客様の大切な資産に直接触れる事業の性質上、社員は常に自らを律し、誠実に行動することが必須です。ALSOKは、会社の信頼と信用をさらに向上させ、社会に誇れる企業となるため、経営理念、経営指針、行動規範をまとめた「綜警憲章」を基本方針として、社員の一人ひとりが企業活動を、どのように正しく行うかの判断基準となる「倫理規則」を確立しています。

 ALSOKは、役員・社員がALSOKにおける倫理を十分理解し、自らのものとして日々の行動に反映させるよう促すため、企業倫理を統括する担当役員を置き、人事部が主管となり倫理観の維持と向上を図る体制を整えています。経営理念に基づき制定した倫理規則では、4つの倫理原則を掲げ、社会との調和の取れた行動基準、役員・社員としての個人の行動基準、会社資産・情報に関する行動基準、法令遵守に関する基準を定めています。

倫理原則

  1. 1綜警憲章」を十分理解し、倫理の根底である「ありがとうの心」と「武士の精神」をもって、真剣に道徳を身に付け、人格の陶冶に努める。
  2. 2綜警憲章」における「行動規範」に基づき、公正に任務を遂行すること。
  3. 3公私の別を明らかにし、いやしくも、その職務や地位を、自らの私的な利益のために利用しないこと。
  4. 4勤務時間外においても、その行動が会社の信用に影響を与えることを認識し、常に自らを厳しく律すること。

 倫理規則は、担当役員が起案し取締役会の決議により制定され、企業倫理の維持、向上を図るため、企業倫理担当役員が統括し、全社員に適用しています。倫理原則を基本に、国の内外を問わず、談合・馴れ合いや、顧客・取引先等の関係において常識を超える贈り物、接待等各種利益の受領または供与および会社の利益に反する行為を禁止し(腐敗防止および贈収賄の防止)、反社会的勢力との一切の関係を遮断・拒絶すること、関係法令・社内規程の遵守等を詳細に規定しています。また、日頃の業務遂行の指針として、コンプライアンスマニュアルに行動基準を制定し、例えば、社会との関係においては、反社会的勢力との関係断絶、国内外の公務員またはこれに準じるものに対する接待、贈答および贈賄の禁止、政治献金規制と寄付行為の透明性保持を具体的に明記しています。

 さらに、その実践と遵守のために、ALSOKグループでは、役員・社員が業務を行ううえで守るべき規範をよりわかりやすく記載した小冊子「ALSOKの企業倫理」や規則およびコンプライアンスマニュアルの語句解説と事例を掲載した「ハラスメント・会社内不正行為の防止の手引」などを全社員に配布し、企業倫理の考え方や、意思決定と行動の仕方をわかりやすく解説することで、倫理観の醸成、職務にかかる倫理道徳の保持を図り、コンプライアンスの周知徹底を図っています。これらの取り組みにより、ALSOKでは、現在まで腐敗防止等の方針違反による従業員の解雇実績はなく、それらに関する罰金等の費用の発生もありません。

 これらの冊子は、全社員を対象とした倫理教育で使用するのみに限らず、ALSOKグループ社員の警備員初任研修や管理職昇任研修で活用され、昇任試験等でも出題範囲に指定されています。さらには、イントラネットや機会教育を通して定期的に指導を行い、信頼できる社員の育成に取り組んでいます。

 加えて、ALSOKは、販売事業拡大のために多くの取引先や代理店と業務提携をしていますが、契約前に与信調査を行い、提携する企業等の状況や反社会的勢力との関係の有無等を確認し、契約時には覚書を結ぶことで倫理的リスクの回避を行っています。また、定期的に提携先企業等の監査や再評価を実施し、管理監督を行っています。ALSOKの取引先は個人のお客様、一般企業のほか、官公庁や金融機関も多いため、徹底した倫理教育および体制の構築は、事業継続の最大の課題と考え取り組んでいます。

 万一、ALSOKグループにて重大な事案が発生した場合は、本社リスク管理委員会が各検討部会にリスクの分析と対応を指示し、経営会議にて審議後、取締役会への付議と実施事項の報告を行っています。

公正な競争・取引の徹底

特定商取引に関する法律の教育推進

 ALSOKが販売する商品や販売方法は、「特定商取引に関する法律(特商法)」の規制の対象となっています。ALSOKでは、「特商法遵守の手引き」を作成し、社員を対象に教育を実施しています。また、一般社団法人全国警備業協会による「消費者契約に関するガイドライン」作成を通じて、警備業界全体の契約慣行の確立を図っています。

独占禁止法および下請法への対応

 ALSOKグループでは、談合や業務委託先を含む取引などへの私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法など、公正かつ自由な競争を阻害する慣行を厳しく禁止し、独占禁止法および下請法遵守の周知徹底を図るため、定期的な社員教育を実施しています。

 また、2020年には新たに公正取引全般に係る指導および管理、相談の専門部署を設置しました。さらに、関係業務を行う部署、全国の事業所およびグループ会社に、公正取引に関する担当者を指定したほか、違反事項早期発見のための内部通報制度について、社員へ再周知を行うなど、対策を強化いたしました。発生防止に向けて、役員含む全社員に対してコンプライアンス研修や教育を実施しましたが、今後も定期的な教育や対策を継続して行ってまいります。

反社会的勢力への対応

 ALSOKは、反社会的勢力への対応として、「倫理規則」をはじめ、契約における約款、反社会的勢力対応マニュアルの制定などの体制整備を行っています。2009年には、反社会的勢力の排除に関する政府指針、一般社団法人全国警備業協会の解説書を受け、反社会的勢力対応規則の制定、暴力団等反社会的勢力排除宣言など、反社会的勢力排除の体制強化を図っています。

 また、社員教育として反社会的勢力とのトラブル回避や対応方法の指導を行い、その他、各都道府県暴力追放運動推進センター主催のセミナーに社員を参加させるなどの取り組みも行っています。

腐敗防止および贈収賄の禁止

 ALSOKでは、業務遂行の指針として、コンプライアンスマニュアルに行動基準を制定し、国の内外を問わず、顧客・取引先等との関係において、談合・馴れ合い、常識を超える贈り物、接待等各種利益の受領または供与および会社の利益に反する行為を禁止しています。また、国内外の公務員またはこれに準じるものに対する接待、贈答を禁止し、営業上の不正な利益を得るために、またはビジネス上の便宜供与の見返りとして金銭等の利益の供与を行うことを禁止しています。買収や合弁事業など、新しいビジネスパートナーのデューデリジェンスにおいては、経営企画部門、人事部門、法務部門、法務専門家を交えたデューデリジェンスを実施し、コンプライアンス遵守状況把握のため、対象会社の人事制度、運用実態、贈収賄、法令違反等の確認による包括的な腐敗課題に対応しています。

 また、全社員を対象に、腐敗防止と贈収賄に関する教育を研修で実施するとともに、あらゆる腐敗行為を対象とした内部通報制度を整備し、社員などが、各種ハラスメント、談合・馴れ合いや贈収賄等を含む会社に関わる違法行為、不正行為および反倫理的行為に遭遇した際、不利益な扱いを受けることなく通報が可能な体制を構築しています。

 内部通報制度「ALSOKホットライン」に加え、自浄作用、社会的信頼、企業価値の維持向上および取引先の皆様との持続的発展を確保することを目的として、2021年12月には「ALSOKお取引先ホットライン」を開設いたしました。「ALSOKホットライン」と同様に、不利益な扱いを受けずに通報することが可能となっています。

  • 腐敗の定義:受託した権力を個人の利益のために用いること
    贈収賄の定義:企業が事業を行う中で、不正、違法、または背任にあたるような行為を引き出す誘因として、いずれかの人物から贈与、融資、謝礼、報酬その他の利益を供与または受領すること
    参照:国連グローバル・コンパクトの10原則(原則10より)
TOPICS

「パートナーシップ構築宣言」を公表

 ALSOKは、内閣府、経済産業省等開催の「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において導入された枠組みに賛同し、「パートナーシップ構築宣言」を作成・公表いたしました。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、中小企業・小規模事業者への「取引条件のしわ寄せ」を防止するとともに、サプライヤー様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存を進めてまいります。

警備業法および関係法令の遵守

課される条件に対するALSOKの姿勢

 ALSOKの主たる事業は、人の生命、身体および財産を守ることを生業とする警備会社であることから、適正な業務を行うための厳しい条件が課せられています。創業以来の経営方針である立派な警備の提供を確実に遂行し、コンプライアンスの重視を徹底するために、警備員の資質向上を図る教育をはじめ、警備業法および関連法令の遵守に特段の体制をもって取り組んでいます。

警備業法の遵守

 警備業法は、警備業務の実施の適性を図るという観点から、警備業者としての認定条件、警備員資格だけでなく、服装や教育、機械警備即応体制の整備等まで、警備業を営むものが対応しなければならない事項を詳細に定めており、ALSOKも本法令を遵守し社業を推進しています。

 警備業務は、他人の生命、身体および財産等を守るという業務に直接携わるので、各自が責任を持って適時適切に判断する能力が必要です。また、他人の権利や自由の侵害、個人や団体の活動等に、行き過ぎた干渉や不当な行為があってはならないため、適正な業務の実施ができる通常の判断力、自制力および常識を備えていなければなりません。実際に現場で対応するのは警備員であり、緊急であればあるほど最後の判断は警備員が行うこともあります。そのような特性から、警備業法第14条は、満18歳未満の者、心身の障害により適正な警備業務を行うことができない者や成年被後見人等、警備に不適格とされる者を制限することを定めています。ALSOKも業法の定めに則り、警備員の採用を行い、多くの研修等にて倫理観や警備知識を養う教育を行っています。また、全社員を対象にした、管理者による個人面談を年に数回実施し、厳正に心身の健康、生活環境等の把握に努め、どのような状況においても信頼できる警備サービスの提供を可能とする社員の育成に努めています。

警備業法指導専任者による取り組み

 ALSOKでは、警備業法指導専任者を任命し、全国の地域本部傘下にある事業所へ定期的な巡回指導を行い、警備業法の確実な遵守に努めています。また、この定期的な巡回指導では、個人情報保護法の遵守および情報漏えい防止についての指導も行っています。

情報資産の保護・管理

情報セキュリティの基本方針

 ALSOKグループは、警備請負契約などを締結する際に、お客様の重要情報をご提供いただいており、情報資産の保護・管理は、セキュリティサービスを遂行する上で、不可欠な要素であると認識しています。

 ALSOKでは、2004年に「情報セキュリティ基本方針」を定め、全社的な情報セキュリティ確保の礎とし、この基本方針を、役員を含む全社員、保有するすべての情報資産に適用しています。

 また、ALSOKグループでは、「個人情報保護方針」を定め、個人情報保護に関する社内規程および管理体制を整備し、教育を通じて個人情報の適切な保護に努めています。

情報セキュリティの強化

 ALSOKグループでは、サービスの提供に必要なシステムや社内システムなどに対して、定期的にセキュリティ診断を実施するとともに、情報セキュリティ上の脅威が発見された際には、直ちに対策を実行する体制を構築しています。また、日夜変化するサイバー攻撃に社員一人ひとりが適切に対応できるようにするため、社内訓練を実施し、脅威の早期発見と拡大防止に努めています。

情報資産の保護・管理体制の強化

 ALSOKグループでは、情報資産の保護・管理の強化を目的に、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO27001」の認証取得を推進し、2023年3月末現在、グループ全体で20社が認証を受けています。さらに、重大な情報セキュリティインシデントの発生に備え、社内にCSIRT(Computer Security Incident Response Team)体制を整えています。

 また、情報システム取扱管理者の資質向上を図るとともに、ALSOKグループの情報システムに関する不備事案の防止ならびに情報リテラシー向上を目的として、定期的にブラッシュアップ講習会を実施し、情報資産の保護・管理強化に努めています。

個人情報の管理体制強化

 ALSOKは、信頼・信用を基本にお客様の生命と財産を守る警備会社として、より高いレベルでの個人情報管理を実現するため、2013年7月に「プライバシーマーク®」を取得しています。ALSOKは、個人情報の管理をより厳重に行うことで、お客様サービスの向上につなげていきます。

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  • プライバシーマーク制度®とは、事業者が個人情報の取り扱いを適切に行う体制等を整備していることを、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が認定し、その証としてプライバシーマークの使用を認める制度です。

知的財産への取り組み

 ALSOKでは、商品・サービスの開発や運用にあたって、他人が保有する知的財産権の侵害行為を防止するため、社内規則に基づき、管理体制の構築を行っています。また、社員を対象とした教育等によって知的財産活動を促進するとともに、会社の知的財産権の適切な管理によって、企業価値の向上に努めています。

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情報も守るALSOK

 IT技術の進歩とデジタル端末の普及に伴い、「サイバー攻撃」による被害や、管理不備による「情報漏えい」などのトラブルは、誰にでも起こりうるものとなっています。

 ALSOKでは、ホームページや社内システムに対する定期な脆弱性診断を行っているほか、情報システムを取り扱う担当者向けの講習会や、全社員を対象とした標的型メールによるサイバー攻撃訓練など、対策を講じています。

 また、警備システム等による物理的な対策だけでなく、ネットワークの不正利用防止や、IT資産の一元管理など、お客様の情報を守る商品・サービスも提供しています。