コンプライアンス
コンプライアンス担当役員を委員長とするコンプライアンス委員会の設置や役員・社員に対するコンプライアンス意識の周知徹底、内部通報制度の整備などを通して、コンプライアンスを推進しています。
コンプライアンスの徹底
当社はコンプライアンス担当役員を委員長とするコンプライアンス委員会を組織し、法令遵守に努めています。コンプライアンス委員会は、2002年に制定したコンプライアンス規則(前コンプライアンス規程)に基づき、役員および従業員に対するコンプライアンス意識の周知徹底に努め、定期的に業務活動状況のチェックを行っています。本委員会は取締役会への報告体制を整備しており、取締役会に監督機能があります。
企業倫理上の問題の早期発見と予防については、2004年4月より「ALSOKホットライン」を設け、社員などが人権侵害や贈収賄、会社に関わる違法行為、不正行為および反倫理的行為に遭遇した際、不利益な扱いを受けることなく、電子メールや電話、文書にて内部通報が可能な体制を構築しています。なお、通報の受付窓口として、従来の社内窓口に加え、2016年4月1日付で社外窓口を設置しています。
人権の尊重やハラスメントの防止について「サステナビリティ基本方針」や社内規則の1つである「コンプライアンス規則」に定めています。また、管理者だけではなく、全社員が定期的にコンプライアンスに関する社内教育を毎年受講しています。
内部通報制度の整備
「ALSOKホットライン」の設置と拡大
当社は、ハラスメント・会社内不正行為等のコンプライアンスに関する通報、あらゆる腐敗行為を対象とする内部通報制度「ALSOKホットライン」を2004年4月に設置し、社員などが、各種ハラスメント、談合・馴れ合いや贈収賄等を含む会社に関わる違法行為、不正行為および反倫理的行為に遭遇した際、不利益な扱いを受けることなく内部および外部に設置した窓口から内部通報が可能な体制を構築しています。「ALSOKホットライン」の特徴は、(1)通報者の保護、(2)不利益な取り扱いの禁止、(3)匿名通報であり、違法行為・不正行為の早急な顕現と腐敗防止を促し、企業価値を守っています。また、違法行為等が明確になった場合は、「懲戒規程」に基づき、対象者の処分を決定しています。
コンプライアンスは、グループ全体で取り組むべき重要なテーマであり、「ALSOKホットライン」の利用も2022年3月末現在、グループ全体で75社にまで拡大し、従来の社内通報窓口に加え、2016年4月1日付で第三者機関にも受付窓口を設置しています。また、全社員を対象に、腐敗防止と贈収賄に関する教育を研修で実施するとともに、「ALSOKの企業倫理」や「ハラスメント・会社内不正行為の防止の手引」などの冊子を社員に配布するなど、コンプライアンスの周知徹底に努めています。
- ※腐敗の定義:受託した権力を個人の利益のために用いること
贈収賄の定義:企業が事業を行う中で、不正、違法、または背任にあたるような行為を引き出す誘因として、いずれかの人物から贈与、融資、謝礼、報酬その他の利益を供与または受領すること
参照:国連グローバル・コンパクトの10原則(原則10より)
取引先通報窓口「ALSOKお取引先ホットライン」
当社では、内部通報制度である「ALSOKホットライン」に加え、自浄作用、社会的信頼、企業価値の維持向上および取引先の皆様との持続的発展を確保することを目的として、「ALSOKお取引先ホットライン」も2021年12月に開設いたしました。
ALSOKグループ内の組織または個人のコンプライアンスについてお気付きになられた場合にお知らせいただくことで、速やかに問題の未然防止または是正を図っています。また、「ALSOKホットライン」と同様に(1)通報者の保護、(2)不利益な取り扱いの禁止、(3)匿名通報も可能となっております。
ALSOKの企業倫理
お客様やお客様の大切な資産に直接触れる事業の性質上、社員は常に自らを律し、誠実に行動することが必須です。ALSOKは、会社の信頼と信用をさらに向上させ、社会に誇れる企業となるため、経営理念、経営指針、行動規範をまとめた「綜警憲章」を基本方針として、社員の一人ひとりが企業活動を、どのように正しく行うかの判断基準となる「倫理規則」を確立しています。
ALSOKは、役員・社員がALSOKにおける倫理を十分理解し、自らのものとして日々の行動に反映させるよう促すため、企業倫理を統括する担当役員を置き、人事部が主管となり倫理観の維持と向上を図る体制を整えています。経営理念に基づき制定した倫理規則では、4つの倫理原則を掲げ、社会との調和の取れた行動基準、役員・社員としての個人の行動基準、会社資産・情報に関する行動基準、法令遵守に関する基準を定めています。
倫理規則は、担当役員が起案し取締役会の決議により制定され、企業倫理の維持、向上を図るため、企業倫理担当役員が統括し、全社員に適用しています。倫理原則を基本に、国の内外を問わず、談合・馴れ合いや、顧客・取引先等の関係において常識を超える贈り物、接待等各種利益の受領または供与および会社の利益に反する行為を禁止し(腐敗防止および贈収賄の防止)、反社会的勢力との一切の関係を遮断・拒絶すること、関係法令・社内規程の遵守等を詳細に規定しています。また、日頃の業務遂行の指針として、コンプライアンスマニュアルに行動基準を制定し、例えば、社会との関係においては、反社会的勢力との関係断絶、国内外の公務員またはこれに準じるものに対する接待、贈答および贈賄の禁止、政治献金規制と寄付行為の透明性保持を具体的に明記しています。
さらに、その実践と遵守のために、ALSOKグループでは、役員・社員が業務を行ううえで守るべき規範をよりわかりやすく記載した小冊子「ALSOKの企業倫理」や規則およびコンプライアンスマニュアルの語句解説と事例を掲載した「ハラスメント・会社内不正行為の防止の手引」などを全社員に配布し、企業倫理の考え方や、意思決定と行動の仕方をわかりやすく解説することで、倫理観の醸成、職務にかかる倫理道徳の保持を図り、コンプライアンスの周知徹底を図っています。これらの取り組みにより、ALSOKでは、現在まで腐敗防止等の方針違反による従業員の解雇実績はなく、それらに関する罰金等の費用の発生もありません。
これらの冊子は、全社員を対象とした倫理教育で使用するのみに限らず、ALSOKグループ社員の警備員初任研修や管理職昇任研修で活用され、昇任試験等でも出題範囲に指定されています。さらには、イントラネットや機会教育を通して定期的に指導を行い、信頼できる社員の育成に取り組んでいます。
加えて、ALSOKは、販売事業拡大のために多くの取引先や代理店と業務提携をしていますが、契約前に与信調査を行い、提携する企業等の状況や反社会的勢力との関係の有無等を確認し、契約時には覚書を結ぶことで倫理的リスクの回避を行っています。また、定期的に提携先企業等の監査や再評価を実施し、管理監督を行っています。ALSOKの取引先は個人のお客様、一般企業のほか、官公庁や金融機関も多いため、徹底した倫理教育および体制の構築は、事業継続の最大の課題と考え取り組んでいます。
万一、ALSOKグループにて重大な事案が発生した場合は、本社リスク管理委員会が各検討部会にリスクの分析と対応を指示し、経営会議にて審議後、取締役会への付議と実施事項の報告を行っています。
公正な競争・取引の徹底
特定商取引に関する法律の教育推進
ALSOKが販売する商品や販売方法は、「特定商取引に関する法律(特商法)」の規制の対象となっています。ALSOKでは、「特商法遵守の手引き」を作成し、社員を対象に教育を実施しています。また、一般社団法人全国警備業協会による「消費者契約に関するガイドライン」作成を通じて、警備業界全体の契約慣行の確立を図っています。
独占禁止法および下請法への対応
ALSOKグループでは、談合や業務委託先を含む取引などへの私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法など、公正かつ自由な競争を阻害する慣行を厳しく禁止し、独占禁止法および下請法遵守の周知徹底を図るため、定期的な社員教育を実施しています。
また、2020年には新たに公正取引全般に係る指導および管理、相談の専門部署を設置しました。さらに、関係業務を行う部署、全国の事業所およびグループ会社に、公正取引に関する担当者を指定したほか、違反事項早期発見のための内部通報制度について、社員へ再周知を行うなど、対策を強化いたしました。発生防止に向けて、役員含む全社員に対してコンプライアンス研修や教育を実施しましたが、今後も定期的な教育や対策を継続して行ってまいります。
反社会的勢力への対応
ALSOKは、反社会的勢力への対応として、「倫理規則」をはじめ、契約における約款、反社会的勢力対応マニュアルの制定などの体制整備を行っています。2009年には、反社会的勢力の排除に関する政府指針、一般社団法人全国警備業協会の解説書を受け、反社会的勢力対応規則の制定、暴力団等反社会的勢力排除宣言など、反社会的勢力排除の体制強化を図っています。
また、社員教育として反社会的勢力とのトラブル回避や対応方法の指導を行い、その他、各都道府県暴力追放運動推進センター主催のセミナーに社員を参加させるなどの取り組みも行っています。
腐敗防止および贈収賄の禁止
ALSOKでは、業務遂行の指針として、コンプライアンスマニュアルに行動基準を制定し、国の内外を問わず、顧客・取引先等との関係において、談合・馴れ合い、常識を超える贈り物、接待等各種利益の受領または供与および会社の利益に反する行為を禁止しています。また、国内外の公務員またはこれに準じるものに対する接待、贈答を禁止し、営業上の不正な利益を得るために、またはビジネス上の便宜供与の見返りとして金銭等の利益の供与を行うことを禁止しています。買収や合弁事業など、新しいビジネスパートナーのデューデリジェンスにおいては、経営企画部門、人事部門、法務部門、法務専門家を交えたデューデリジェンスを実施し、コンプライアンス遵守状況把握のため、対象会社の人事制度、運用実態、贈収賄、法令違反等の確認による包括的な腐敗課題に対応しています。
また、全社員を対象に、腐敗防止と贈収賄に関する教育を研修で実施するとともに、あらゆる腐敗行為を対象とした内部通報制度を整備し、社員などが、各種ハラスメント、談合・馴れ合いや贈収賄等を含む会社に関わる違法行為、不正行為および反倫理的行為に遭遇した際、不利益な扱いを受けることなく通報が可能な体制を構築しています。
内部通報制度「ALSOKホットライン」に加え、自浄作用、社会的信頼、企業価値の維持向上および取引先の皆様との持続的発展を確保することを目的として、2021年12月には「ALSOKお取引先ホットライン」を開設いたしました。「ALSOKホットライン」と同様に、不利益な扱いを受けずに通報することが可能となっています。
リスク管理委員会では、業務上のリスクを十分に予測し、適切に評価するとともに、会社にとって最小の費用で最良の結果が得られるよう、リスクの予防、軽減、移転などの必要な措置を講じています。その中で不正や不法行為、反倫理的行為についても、影響度と発生可能性の観点から毎年リスク評価を行い、結果を取締役会へ報告しています。
- ※腐敗の定義:受託した権力を個人の利益のために用いること
贈収賄の定義:企業が事業を行う中で、不正、違法、または背任にあたるような行為を引き出す誘因として、いずれかの人物から贈与、融資、謝礼、報酬その他の利益を供与または受領すること
参照:国連グローバル・コンパクトの10原則(原則10より)
「パートナーシップ構築宣言」を公表
ALSOKは、内閣府、経済産業省等開催の「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において導入された枠組みに賛同し、「パートナーシップ構築宣言」を作成・公表いたしました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、中小企業・小規模事業者への「取引条件のしわ寄せ」を防止するとともに、サプライヤー様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存を進めてまいります。
警備業法および関係法令の遵守
課される条件に対するALSOKの姿勢
ALSOKの主たる事業は、人の生命、身体および財産を守ることを生業とする警備会社であることから、適正な業務を行うための厳しい条件が課せられています。創業以来の経営方針である立派な警備の提供を確実に遂行し、コンプライアンスの重視を徹底するために、警備員の資質向上を図る教育をはじめ、警備業法および関連法令の遵守に特段の体制をもって取り組んでいます。
警備業法の遵守
警備業法は、警備業務の実施の適性を図るという観点から、警備業者としての認定条件、警備員資格だけでなく、服装や教育、機械警備即応体制の整備等まで、警備業を営むものが対応しなければならない事項を詳細に定めており、ALSOKも本法令を遵守し社業を推進しています。
警備業務は、他人の生命、身体および財産等を守るという業務に直接携わるので、各自が責任を持って適時適切に判断する能力が必要です。また、他人の権利や自由の侵害、個人や団体の活動等に、行き過ぎた干渉や不当な行為があってはならないため、適正な業務の実施ができる通常の判断力、自制力および常識を備えていなければなりません。実際に現場で対応するのは警備員であり、緊急であればあるほど最後の判断は警備員が行うこともあります。そのような特性から、警備業法第14条は、満18歳未満の者、心身の障害により適正な警備業務を行うことができない者や成年被後見人等、警備に不適格とされる者を制限することを定めています。ALSOKも業法の定めに則り、警備員の採用を行い、多くの研修等にて倫理観や警備知識を養う教育を行っています。また、全社員を対象にした、管理者による個人面談を年に数回実施し、厳正に心身の健康、生活環境等の把握に努め、どのような状況においても信頼できる警備サービスの提供を可能とする社員の育成に努めています。
警備業法指導専任者による取り組み
ALSOKでは、警備業法指導専任者を任命し、全国の地域本部傘下にある事業所へ定期的な巡回指導を行い、警備業法の確実な遵守に努めています。また、この定期的な巡回指導では、個人情報保護法の遵守および情報漏えい防止についての指導も行っています。