私は、高校卒業後バスガイドとして働き、結婚出産で退職したのち、知り合いのドクターの診療所で看護助手として働き始めました。病院勤務は、実は昔からの夢でした。その診療所には、高齢の方がよく誤嚥性肺炎で入院されたのですが、たいてい、かなり悪化されてからいらっしゃるんです。来院前にもっと適切な処置をしてあげられたらいいのに、という思いがつのり、介護施設で働くことを決意しました。そこからは、働きながらヘルパー２級の資格を取り、当社に就職し、介護福祉士の資格を取る、という怒涛（どとう）の日々でした。子育て中でもあり、勉強は本当に大変でした。そんななか、私が診療所でみていた患者さんが亡くなられたのですが、臨終の際に「勉強、頑張れよ」と言ってくださったのです。家族でもない私にかけていただいたその言葉がありがたくて、頑張るしかないと奮起できました。
３年前には管理職試験にも合格し、今年から当施設の施設長を拝命しました。私が大事にしているのは、ご本人様の目線でいること。ですから、時間があると食堂に行き、みなさんと触れ合っています。おかげさまで、認知症で暴れていた方も、今では私とチャンバラごっこをして遊んでいます（笑）。みなさん、私を娘のように見てくださるので、私もそのつもりで接しています。施設長はあまり現場に出てはいけないと言われるのですが（笑）、今後も現場で触れ合う時間は大切にしたいですね。
当社の大きな特徴というと、即日入居があげられると思います。部屋が空いていれば、電話をもらったその日にお迎えにうかがいます。当施設が満室の場合はエリア内で調整し、お客様をお待たせすることのないように心がけています。
新型コロナもやっと落ち着いてきたので、今後は、外出支援や新生活サービスの充実を図っていきたいですね。いろいろなところにお連れして、「施設にいても今までと同じ生活ができる」と感じていただきたいのです。外出先についてはリクエストをうかがい、例えば「昔住んでいた町のもんじゃ焼きが食べたい」などの声があれば、企画を立てて、募集をかけ、希望者全員と出かけます。ご本人様が楽しんでいる姿を見ると、一番やりがいを感じます。
私たちが大切にしているのは笑顔です。ご本人様の笑顔、ご家族様の笑顔、スタッフの笑顔。いろいろな笑顔を大事にして、「この施設を選んでよかった」と言っていただけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。