「投稿で家がばれる!?」
この連載では、まさかのネットトラブルに遭わないために、リスクを回避する「ネット防衛術」をご紹介!
第1回は、SNSへの投稿で私たちが知らぬ間にやっている危険な投稿についてです。
ネット防衛術を身につける
SNSに自宅住所を投稿する方はいませんよね。ストーカー被害や空き巣の誘引にもなる「やらないほうがよい」行為でしょう。ですがみなさん、無意識のうちに、それに近いことをやってしまっているかも・・・。
例えばジョギングや愛犬の散歩といった「家の近所」でしかやらない行為。これらの様子をSNSに投稿する際には注意が必要です。
画像を添えて「散歩中、爽やかな朝だよ」などとコメントすれば、当然そこに写り込む風景は自宅近所の街並みです。特徴的な建物などから居住エリアが絞り込めるかもしれません。背景に写り込んだマンホールや側溝には、市町村のマークが刻印されている場合もあります。注意しましょう。
自宅の窓から撮影した画像にもリスクがあります。「いや、そんな画像は載せないよ」という方でも、窓の外に見事な虹が広がっていたり、一面の雪景色だったりしたら、思わず投稿してしまうかも。実際「雪だ!」という画像に「ご近所?」というコメントがついた事例が過去にありました。
SNS投稿に画像を載せていなくても
では、画像を添えていなければリスクはないのかといえば、残念ながらそんなことはありません。例えば、
「参ったな、停電になっちゃったよ」
「突然の豪雨で洗濯物が台無し!」
「今朝から家の前で道路工事」
こういった文字だけの投稿でも、電力会社のサイトや気象関連のデータベース、役所のページなどを閲覧することで、その日時に停電・ゲリラ豪雨・工事が発生している地域を、後から絞り込むことが可能です。
コンビニの地域限定商品にもご用心。「帰り道に限定スイーツが買えた!」といった投稿は、文字通り地域を限定される可能性があります。
とはいえ、あまり敏感になりすぎても、SNSを楽しめなくなってしまいます。今回紹介したのは、ネット防衛術の基本中の基本。トラブルを回避する事例のひとつとして、頭の片隅に入れておいてください。そのうえで、節度をもってSNSを活用していきましょう。ネットが心配だ、と考え事をしながら歩くほうが危険ですから。
小木曽 健(おぎそ けん)
炎上の「火消し」からネットで絶対に失敗しない方法まで、企業、学校で2000回以上、40万人以上に講演。
著書は『炎上しても大丈夫!今日から使える企業のSNS危機管理マニュアル』『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)ほか多数