ITリテラシー術
「パスワードの安全性を上げる」 安全安心のネット利用術
インターネットを利用する際、セキュリティ上の最初の防衛線となるのが「パスワード」です。
今回は、安全性の高いパスワードを設定し、上手に使いこなすためのポイントをご紹介します。
理想は、自分だけが覚えやすいパスワード
安全安心なパスワードを設定するには、3つの要素に気をつける必要があります。「複雑さ」「長さ」「覚えやすさ」です。 でも「複雑で長いパスワードなんて、とても覚えられない!」と思いますよね。じつは、人間の記憶のクセを利用すると、「覚えやすく、破られにくい」パスワードをつくることができるのです。
人間の記憶は、ランダムな文字列や数字の並びよりも、意味を持った単語や数字のほうが、ずっと覚えやすくできています。もちろん、誕生日や名前など、推測されやすい単語をパスワードに使うのはNGです。おすすめなのは、好きな「文章」を使うこと。 たとえば「私はポチが好き」という文章を、パスワードにしてみましょう。ローマ字で書くと、「watashihapochigasuki」となります。パスワードとしての長さは十分です。でも、英字だけでは、安全性が高いとは言えません。ここで、「a」を「@」に、「o」を数字の「0」に置き換えてみましょう。
「w@t@shih@p0chig@suki」
ぐっと複雑になりました。初めて見た人は、何のことかわからないでしょう。でも自分にとっては、ランダムな文字列よりずっと覚えやすいはずです。
パスワードをツールで管理するのも一手
それでも、ウェブサイトやサービスによってパスワードを使い分けるのは一苦労ですよね。そういう場合は、パスワードを管理するツールを導入するのもおすすめです。初回に入力したIDやパスワードを保存しておき、次回のログインの際、自動で入力してくれます。パスワードを変更した際も登録しなおせるので、定期的にパスワードを変更したい方にもおすすめです。
パソコン向けのソフトや、スマートフォン向けのアプリなど、さまざまなものがありますので、自分がよく使うデバイスに合わせたものを選びましょう。
多要素認証を併用して安全性を高める
多要素認証とは、パスワードに加えて別の認証手段を併用するセキュリティ機能のことです。指紋や網膜を記録して使用する生体認証や、ワンタイムパスワード、認証アプリなどが知られています。
多要素認証を設定しておくと、万一パスワードが漏洩してしまった場合でも、水際で不正アクセスを阻止できる可能性があります。
また、パスワードを忘れてしまった際も、多要素認証を利用してパスワードの再設定ができるケースがあります。多要素認証サービスの設定を求められたら、かならずオンにしておきましょう。
現代は、あらゆるサービスをインターネット上で利用することができる時代です。裏を返せば、インターネット上で利用しているパスワードが漏洩してしまったり、破られてしまったりすると、大変なことになってしまいます。
「自分は大丈夫」と思いこまず、ぜひこの機会に、ご自身のパスワードの管理を考え直してみてください。家族や友人と話し合ってみるのもおすすめです。