暮らしセキュリティー vol.2

  • バックナンバー
  • 前号
暮らしセキュリティーを高める vol.2

医療術

「効果的に水分を補給する」 熱中症予防術

近年続く気温の上昇傾向に伴い、熱中症の救急搬送数も毎年のように増加しています。
今回は、熱中症を予防するための効果的な水分補給についてご紹介します。

健康な人の体温は、36度前後です。気温が高かったり、運動して体が熱くなったりすると、体は汗をかいて熱を発散し、体温を下げようとします。
しかし水分不足で汗をかけないと、体は熱を逃せず、体温が上がりすぎて内臓や筋肉がダメージを負ってしまいます。これが、熱中症を発症した状態です。熱中症を防ぐには、適切な水分補給がポイントになります。

目安は2時間ごとにコップ1杯

意外と見過ごされがちなのが、「日頃から十分な水分を摂る」ことです。普段から水分不足だと、少し汗をかいただけで、あっという間に脱水状態になってしまいます。
1日に必要な飲料水の目安は、成人で約1.5ℓです。ただし、一度に摂取してもあまり効果はありません。大切なのは、こまめに少しずつ摂取することです。
具体的には、2時間ごとにコップ1杯(約200ml)の水を飲みましょう。まずは起床時に1杯。それ以降は、食事と一緒に、休憩のときに、ベッドに入る前に1杯・・・など、習慣に合わせて摂取するクセをつけると、無理なく目安をクリアすることができます。

水分補給はノンカフェインで

カフェインには利尿作用があり、水分の排出を助けます。そのため、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物は、水分補給に向いていません。むしろ逆効果になってしまうこともあるので、注意が必要です。
カフェインを含む飲料は意外と多く、ジャスミンティーや烏龍茶、マテ茶などにも含まれています。
日頃の水分補給には、ラベルに「ノンカフェイン」と書かれているものを選びましょう。迷ったときは、ミネラルウォーターか麦茶がおすすめです。

いざというときはスポーツドリンクや経口補水液を活用

汗をかくと、水分と共に大量の塩分も失われます。
塩分が不足すると体内の浸透圧のバランスが狂い、かえって水分を排出してしまったり、脱力やめまい、意識障害などの症状が現われます。
汗をかいたときは、水分だけではなく、かならず塩分もいっしょに補給しましょう。
また、糖分には水分の吸収を早める効果があります。一度にたくさん汗をかいたり、喉の渇きや頭痛などの脱水症状が現われたりした場合は、スポーツドリンクや経口補水液を摂取してください。水分・塩分・糖分がバランスよく含まれているので、速やかに吸収されて体内の水分バランスを整えてくれます。毎日の水分補給と、いざというときの水分補給を使い分けて、暑い夏を乗り切りましょう!

暮らしセキュリティー vol.2

  • バックナンバー
  • 前号