
食事術
体重を増やさないように宴会を楽しむコツ
親戚との集まりや新年会など、冬は宴会が続く季節。太るか太らないかは、ちょっとした食べ方の工夫で変わります。健康的な食べ方のコツを、管理栄養士の成澤文子さんに伺いました。
宴会のある日こそ朝・昼はしっかり食べる
宴会の前は食事を抜くという人もいますが、「あまりおすすめできません」と成澤さん。
「空腹感から食べ過ぎてしまうだけでなく、血糖値が急上昇しやすく、インスリンが過剰に分泌されて体に脂肪をため込みやすくなります。朝食や昼食に食物繊維やたんぱく質を摂ることで、次の食事の後の血糖値の上昇も抑えるという報告もあります。日本人は食物繊維が不足しがち。
特に、朝食は摂れていない方が多いので、(宴会の前こそ)意識して摂りたいですね」
また、普段はできるだけ食事のリズムを一定にし、体脂肪が増えやすい遅い時間の夕食は控えるようにすることも大切です。

脂質の少ないおつまみをチョイス
宴会の席では、何を食べるかも重要です。気をつけたいのは揚げ物やご飯ものなど、脂質や糖質の多いおつまみ。 「宴会では特に脂質が増えやすいので、まずは食物繊維の多い枝豆や野菜の小鉢、海藻などを選んで食べるのがおすすめです。嚙む回数が増えて食欲を落ち着かせてくれるので、血糖値の急激な上昇を抑え、食べ過ぎ防止にも役立ちます」
むくみやすい人は塩分に注意して
飲み会の翌日、むくみを感じたら朝食や昼食の塩分を控え、カリウムの多い食材を積極的に摂るのが効果的です。
「カリウムは豆類、芋類、生野菜、果物に多く含まれ、体内にたまったナトリウム(塩分)の排出を促してくれます。また、歩くなど下肢の運動をすると足の静脈の血液が心臓に送り返されるため、むくみが解消されやすくなります」

食べ過ぎたら早めにリセットする
飲み過ぎは、メタボのリスクも上げます。
「翌日は休肝日にする、お酒の量を減らすなどの調整を。食べ過ぎた翌日は脂質を控えめにし、食物繊維を増やしましょう。鶏むね肉や白身魚、大豆製品など脂の少ないたんぱく質食材を選び、緑黄色野菜、海藻、きのこなどを合わせると、栄養のバランスが整いやすく、体調良く過ごせます。主食に雑穀やもち麦ごはん、全粒粉入りパンを選ぶのもいいです」
活動量を増やすことも重要です。「加齢とともに基礎代謝量は落ちるので、若い頃と同じ量を食べていると体重は増える一方です。今より歩数を増やすなど、できることから始めてみてください」

監修 管理栄養士 成澤文子
なりさわ・あやこ 管理栄養士、日本抗加齢医学会指導士。家庭で作れる本格レシピが人気。メディア、企業に向けたレシピ提案から食育指導、特定保健指導など健康支援でも活躍中。