見守りの目をかいくぐり、子供たちを狙う犯罪者
子供を狙った犯罪があとをたちません。連れ去りや暴行、卑劣な強制わいせつからいたましい殺人事件まで、日々流れるニュースに、子供を守るべき我々大人はやるせない気持ちになります。
「平成29年『警察白書』子供(13歳未満)の被害件数及び罪種別被害状況の推移」を見てみると子供(13歳未満)の被害件数は10年前に比べて減ってはいますが、それでも年間1万7千件を越える事件が発生しています。罪種別では略取誘拐や強制わいせつなどは2015年より増加しています。また、数字の上には出てこない未遂事件も多発しています。
集団登校やボランティアによる登下校時の見守りは強化されています。それにも関わらず、犯罪者は隙を突き、小さな命を狙っています。
子供にとって「知らない人」の認識の違いを考えて
子供のための防犯教育も盛んですが、その教育は正しく身についているでしょうか?
たとえば、町で見かける人や自分の名前や家族のことを知っている「見知らぬ人」を「知っている人」と認識してしまう子もいます。
子供に近づく不審者に、見るからに悪い人はいません。優しい口調や困ったふりをして助けを求めてくるなど、警戒心を抱かせないよう言葉巧みに近づいてきます。
普段から親子で、不審者に遭遇する場面を想定したり、危険な場所や逃げる方法を確認したりと子供自身が危険を見極められるようにすることが大切です。
また、ランドセルにつける電子タグやGPS機能搭載の「緊急通報端末機」も普及しはじめているので、こうした位置情報システムも積極的に利用したいものです。
危険な時間帯とこんな場所に注意!
子供にとって危険な時間帯は、午後2時から6時。下校時間や学校のあとで遊びに出かける時が狙われやすい傾向にあります。そして危険な場所は、
- 子供の背丈ほどある草むら
- 高い塀で囲まれた道や路地裏
- 見通しの悪い公園内
- 一人で乗るエレベーターなど
犯罪者は、子供の興味をひく声かけや驚かせる言葉で誘い込みます。たとえば、
「犬(猫)を一緒に探して」
「(家族が)けがをしたから病院に行こう」
「○○まで案内して」
「(興味のあるものを)買ってあげるから遊ぼう」など。
日頃から親子で「死角」を確認したり、「こども110番の家」「交番」「コンビニ」など、すぐに助けを求められる場所をチェックしておきましょう。
子供たちが自分で理解し、納得するよう繰り返し根気よく!
大人から「ここが危険だよ」と教えられても、好奇心旺盛な子供はつい忘れてしまいがちです。どうしてここが危険なのか、その理由をきちんと理解できるよう、家族で実際に地図を見ながら考える機会をもちましょう。家のまわりの安全マップを作り、危険な場所、逃げ込む場所などあらかじめ確認しておくことが大事です。
一度でよしと思わず、時間を置いて繰り返し、根気よく教えることを心がけることが大切です。
事故の多い水辺のリスクを知ろう
夏休みは、海水浴、渓流遊び、キャンプ、釣りなどへとレジャーに出かけることも多くなります。水辺に近づく機会が増えるため、子供の水難事故のリスクも高くなることを覚えておきましょう。
平成28年度の場所別死者・行方不明者(子供)の統計をみると河川が64.5%を占めています。海やプールとは違いライフセーバーのいない川では特に子供から目を離さないように注意が必要です。
川での危険サインは、
- 雨が降り始めた時
- 注意報や警報が出た時
- 水かさが増え流木や落ち葉が流れてくる時
- 雨なのに川の水かさが減る時
- 山鳴りやドンという音がする時
また、服を着たまま水中に転落する可能性もあるので、着衣水泳の講習などを受けておくといいでしょう。
一方、海では、
- 海水浴が禁止されている場所で泳がない
- 沖に向かって流れる「離岸流」に遭遇したら抵抗せず、浜と並行して泳ぎ脱出する
- 海に入る前にしっかりと準備体操をする
もちろん、波浪警報が出ている日や遊泳注意の旗が出た時には、海に近づかないのが一番です。