認知状況の推移
親族を騙り現金などをだまし取る手口はオレオレ詐欺と呼ばれていましたが、この他「架空請求詐欺」「融資保証金詐欺」「還付金詐欺」などを総称して、平成16年に警察庁が「振り込め詐欺」と命名。その後、金融商品取引やギャンブル必勝法情報提供なども加わり「特殊詐欺」と総称されるようになりました。
平成29年 被害総額
394億7487万491円
もう古いと思われがちな「オレオレ詐欺」ですが、手口がより巧妙になり、被害額はいまだに最大です。また、手っ取り早いという一面から、少年の犯行が増加しているのも要因になっています。減少しているのは「還付金詐欺」で、ATMでの利用制限を設けたり、高齢者への配慮が功を奏しています。
出典:ともに警察庁「特殊詐欺認知・検挙状況等(平成29年・確定値)」による。
息子を装い、金銭を騙し取る手口として広まったいわゆる「オレオレ詐欺」。もう古いと思われるかもしれませんが、現在も特殊詐欺のなかで、最も被害を生んでいる方法なのです。
そもそも特殊詐欺は技術や環境の変化によって〝進化〟を遂げ、さまざまな手口が登場しています。「オレオレ」と親族を騙るものから、金融機関や交際あっせんなど、業者を装った手法が現れているのです。
インターネットとメールの普及によって増えたのが、架空請求や電子マネーを購入させる手口で、特にそうしたツールに不慣れなお年寄りが「未納」や「訴訟」または「警察」や「裁判」などといった文言を目にすると、気持ちに余裕がなくなり、判断力を失って被害にあいやすくなります。
では、特殊詐欺の被害を防ぐにはどうするべきか。次々と現れてくる手口を知ることで、身を守ることが求められます。また、個人だけではなく、親族や地域といった周囲の
人々も高齢者を見守る意識が大切です。
特殊詐欺とは?
振り込め詐欺
オレオレ詐欺
「携帯電話を落とした」「株に手を出して失敗した」
電話を利用して親族や警察官等を装って現金やキャッシュカードなどをだまし取る詐欺。日をおいて接触する場合もあり。
架空請求詐欺
「サイト利用料金が未納」「裁判手続きとなります」
郵便、インターネット等を利用して架空の事実を口実とした料金請求文書等を送付して、現金を口座に振り込ませるなどする詐欺。
融資保証金詐欺
「簡単な審査で融資を受けられる」「担保不要」
実際に融資する意思がないにもかかわらず、融資する旨の文書を送付して保証金名目で現金を口座に振り込ませるなどする詐欺。
還付金等詐欺
「医療費の過払い金があります」「年金が一部未払いです」
税金還付等に必要な手続を装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法な利益を得る詐欺。
振り込め類似詐欺
金融商品等取引名目
「A社の株は間違いなく上がります」「貴重な品物でなかなか手に入らない」
実際には対価ほどの価値がない未公開株、社債等の有価証券や外国通貨等又は全く架空の有価証券等について電話やダイレクトメール等により虚偽の情報を提供し、その購入名目で金銭をだまし取る詐欺。
ギャンブル必勝情報提供
「ロト6の当選番号がわかる」「選ばれた方のみ情報提供」
不特定の者に対してパチンコ攻略法等の虚偽の情報を提供するなどした上で、会員登録料や情報料等の名目で金銭をだまし取る詐欺。
異性との交際あっせん
「女性紹介」「デートするだけでお金がもらえる」
不特定の者に対して一度だけ異性と会わせたり、異性に関する虚偽の情報を提供したりするなどした上で、会員登録料や保証金等の名目で金銭をだまし取る詐欺。
日頃からの心構えが大切!
「携帯を持ってATMへ」は詐欺です
還付金などをATMで返還することは絶対にありません。高齢者を狙ったケースが多く発生しています。
冷静になって家族に連絡をとりましょう
「携帯電話をなくした」「電話番号が変わった」という電話に対しては、元々知っている電話番号や家族、勤務先などに電話して確認を。
詐欺師はいろんな情報を知っています
子供の名前や同級生の名前、あるいは子供が卒業した学校名など、詐欺師はいろんな方法で情報を入手していることを前提に。
心当たりのないメールは無視しましょう
使用したこともないサイトや利用時間の記載がない請求書などには決して返信せずに、各種相談窓口へ連絡を。