たばこやコンロだけじゃない
「意外な火災」に注意!
「火の用心、マッチ1本火事のもと」
誰もが知っているおなじみの標語ですが、火災の原因は「火」だけとは限りません。
身近にひそむ意外な原因を知り、対策しましょう。
意外な火災の原因は…
1.電子レンジ
食品を必要以上に温めたり、電子レンジ不可の容器ごと加熱したりすると、発火や火花が散るおそれがあります。食品や容器の表示をきちんと確認し、正しく使用しましょう。
2.衣類乾燥機
油分を含んだものを高温の状態で放置すると自然発火することがあります。食用油や機械油、美容オイルなどは洗濯でも落ちにくいため、乾燥機の使用後、機内に放置するのは厳禁です。
3.IHクッキングヒーター
IH製品は熱する力が強いため、短時間で油が高温になり、センサーが反応する前に発火する危険があります。調理中は決して目を離さないように気をつけましょう。
4.収れん火災
鏡やペットボトル、花瓶などが凸レンズのような作用で日光を1点に集め、布や紙などを熱して発火させます。外出時は必ずカーテンを閉め、室内に日光が入らないようにしましょう。
思いがけない原因で大火災になることも
消防庁の統計によると、2019年1月~3月に発生した住宅火災は3,285件、死者は346名にのぼります。件数は総火災件数の約30パーセントに過ぎませんが、死者数は全体の約64パーセントを占めています。住宅火災は負傷者が出やすく、住居や資産への被害も深刻です。
2018年には、まったく火元のない場所から発生した「収れん火災」がSNSで話題になり、テレビやネットのニュースでも報じられました。意外な原因におどろいた方も多かったのではないでしょうか。火災の多くは火元からの引火によって発生しますが、上記のように過熱による発火現象が原因となることもあります。
思わぬ火災の被害を防ぐには、日頃の注意と、いざというときのための備えが必要です。普段の生活を見直して、防災意識を高めていきましょう。
家の中を点検しよう
日常的に使う家電や器具、電気機器、配線などは、出火原因の上位を占めます。とくに見直したいのが、コンセントやコード類。タコ足配線はタップや配線に負荷がかかり、発熱して出火を招きます。
また、コンセントにプラグをさしたまま長期間放置すると、溜まったホコリに通電して発火する「トラッキング火災」の原因に。定期的に点検や交換を行いましょう。
早期発見と初期消火が大切
万が一火災が発生したとき、火が天井に回る前に消し止められれば、被害を抑えることができます。
初期消火が有効なのはおよそ2分の短い時間です。出火にすぐ気づけるよう、住宅用火災報知器の設置、メンテナンスは必ず行い、設置から10年を目安に交換しましょう。
また、住宅用消火器は女性でも簡単に扱えます。もしものために用意しておきましょう。
安全を確保してから119番へ!
火が天井に回ってしまったら、すぐに避難してください。通報は、必ず避難してから行いましょう。その際、現場の住所や情報をできるだけくわしく伝えます。
火災に巻き込まれないよう、自分を最優先に守ってください。
改めて気をつけたい出火原因TOP3
1位 コンロ
最も多いのはコンロの「消し忘れ」です。また、近くに置いた布巾やキッチンペーパー、あるいは自分の洋服に引火するケースもあります。
2位 たばこ
寝たばこや火種の消し忘れがほとんどですが、灰皿でないものを代わりに使ったことで引火するケースもあります。必ず灰皿を使用しましょう。
3位 ストーブ
ストーブ火災の中でも最も多いのが「電気ストーブ」。膝掛けや寝具のそばで使用し、出火するケースが後を絶ちません。可燃物から離れたところに置きましょう。