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京都といえば京都市内の神社・仏閣を観光する方が多いと思いますが、海の恵みにあふれた北部へと足を延ばしてみませんか?
伊根の舟屋建築をはじめとする、京都の新たな一面に出会えます。
Photos :Naoto Shoji
※本記事に記載している情報は2019年9月時点のものです。ご利用の際は最新の情報をご確認ください。
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京都市内から車で北へ約2時間半、若狭湾に面した漁師町・伊根へと到着します。三方を山に囲まれた伊根湾は、南に面しているので波がおだやかで、江戸時代から漁業が盛ん。湾沿い5㎞にわたって舟屋が230軒ほど連なります。舟屋とは、舟揚げ場と住居が一体になった伝統的な建物のこと。一階は小型の舟を格納するスペース、二階は居室で、道を隔てた山側には母屋があります。漁師たちは、舟屋から直接海に出て漁をし、獲ってきた魚は舟屋でさばいて自分たちの食卓にあがることもあるそうです。伊根町観光協会のガイドツアーでは舟屋の内部を見せてもらうこともできます。
船頭さんが操縦する海上タクシーに乗って伊根湾を周遊するのもおすすめ。海上からの舟屋の景色は、島国日本の原風景を感じさせます。
舟屋群のなかには、観光の拠点となる複合施設「舟屋日和(ふなやびより)」もあるので立ち寄ってみては。
伊根町観光交流施設 舟屋日和
伊根湾沿いにある複合施設。「鮨割烹 海宮」や「INE CAFE」のほか、伊根観光の情報を得られるインフォメーションスペースや伊根の祭りで使用される祭礼舟置き場などもある。
与謝郡伊根町字平田593-1
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江戸時代に建てられた舟屋。当時は3舟入れるために幅広に作られていた。
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ガイドツアーでは伊根の伝統的な漁「もんどり」体験もできる。もんどりとは、軒下の海底に、エサを入れた大きなかごを仕掛けたもの。ロープを引き上げると、グレ(メジナ)がたくさん!
鮨割烹 海宮
ブリや真鯛など、その日に揚がった魚介をいただける。ランチの「わだつみ寿司御膳」(3,000円・税別)はお造り、小鉢、煮魚または焼魚、茶碗蒸し、寿司5貫、汁物のセット。
0772-32-1710
11:30~14:30(L.O.14:00)
17:00~20:30(L.O.20:00)
※季節により変動
水曜
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INE CAFE
伊根湾の景色を眺めながらコーヒーやケーキを味わえる。
写真は人気のチーズケーキとガトーショコラ。夕方に訪れれば、夕日が舟屋にあたって赤く染まる絶景に出会える。
0772-32-1720
平日11:00~17:00(L.O.16:30)
土日祝10:00~17:00(L.O.16:30)
水曜
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二方向から「龍」を眺めてみよう
日本三景のひとつ、天橋立(あまのはしだて)は、砂の堆積によってできた細長い砂浜(砂嘴[さし])です。幅は狭いところで約20m、全長は約3.6kmにも及び、約8千もの松が茂っています。丹後風土記によると、天橋立はもとは天に登る架け橋でした。
まずは、この天橋立を一望できる文珠山(もんじゅさん)山頂の「天橋立ビューランド」へ。文珠山から見る天橋立は天に舞う龍のように見えることから「飛龍観(ひりゅうかん)」と呼ばれています。そこには躍動感のある龍の姿が。また、ここで「股のぞき」をすると、空と海が逆転する景色に出会えますよ。
天橋立ビューランドがある文珠エリアには、「智恵の餅」を食べられる「文珠荘 勘七茶屋」や「海鮮丼」がおいしい「対橋楼 阿蔵」をはじめとする食べ物屋やお土産屋が並んでいるので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
天橋立は渡ることもできます。歩いて渡ると約50分かかるため、レンタサイクルを借りるのがおすすめです。まず文珠エリアから天橋立へ向かうには、途中で廻旋橋を渡ります。廻旋橋とは、橋の一部が九十度旋回し、船が通行できるようにする橋のことです。
橋を渡った先には背の高い松が立ち並び、木々の間からは砂浜や青い海が視界に飛び込んできます。波がおだやかなので、夏は海水浴場としても人気です。疲れたら真っ白な砂浜で、透明度の高い美しい海を眺めながら一息つきましょう。潮風を全身に浴びながら自転車を漕いで、20分ほどで反対岸の府中エリアに到着します。
府中エリアでは、成相山(なりあいさん)中腹にある「天橋立傘松公園」へ。成相山からの眺めは、天橋立が右肩上がりの昇り龍のように見えることから「昇龍観(しょうりゅうかん)」と呼ばれています。「飛龍観」からの眺めに比べ、真っすぐすっとのびる姿からは、凛とした力強さが感じられます。また、天橋立の横を遊覧船が走っている姿も風情があります。こちらからもぜひ「股のぞき」をして、眼前に広がる絶景をご堪能ください。天橋立が天への架け橋に見えますよ。
文珠エリア
天橋立ビューランド
長さ約250m、高さ最大約8.5mの飛龍観回廊では360度の大パノラマ風景を楽しめる。サイクルカーや観覧車などがある遊園地もあり、大人も子どもも満喫できる。
「股のぞき」するのをお忘れなく。
0772-22-1000
宮津市字文珠437
8月21日~10月20日・2月21日~7月20日9:00~17:00
10月21日~2月20日9:00~16:30
7月21日~8月20日8:30~18:00
無休
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対橋楼 阿蔵
天橋立に一番近い旅館、対橋楼内の食事処。天橋立運河や松並木を眺めながら、地元で獲れた魚介類を使った丼ものやコース料理を味わえる。一番人気の「海鮮丼」(1,400円・税別)は海の幸がたっぷりのった豪華な一品。
0772-22-2101
宮津市文珠471
平日11:00~14:00、土日祝11:00~14:30(L.O.14:00)
不定休
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文珠荘 勘七茶屋
天橋立名物の「智恵の餅」(3個入りお茶付き270円・税込)があり、食べると智恵を授かるといわれている。
柔らかい餅に甘さ控えめのあんこがのった上品な味わいは、旅の疲れを吹き飛ばしてくれる。
0772-22-2105
宮津市文珠471
8:00~17:00
無休
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天橋立と陸地をつなぐ廻旋橋。橋が旋回するのは不定期のため、タイミングが合えば見られる。
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府中エリア
天橋立傘松公園
約60m²の円形のスカイデッキや床面がガラス張りの空中廊下、スカイテラス、展望レストランなどがあり、「昇龍観」や「斜め一文字」とも呼ばれる天橋立の風景を存分に楽しめる。「股のぞき」発祥の地としても有名。
0772-27-0032
宮津市大垣75
4~10月 8:00~17:30
3月・11月 8:00~17:00
12~2月 8:00~16:30
※7月20日~8月20日のみ 8:00~18:00
無休
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成相寺
傘松公園から成相山をさらに上へと登ったところにある。山岳宗教、修験道の霊場だった。本尊は身代わり観音、美人観音としても知られる。
0772-27-0018
宮津市成相寺339
8:00~16:30
無休
大人500円、中高校生200円、小学生以下無料(すべて税別)
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天橋立観光船
府中エリアと文珠エリアを12分ほどで結び、穏やかな波に揺られながら、天橋立を海上から望める。デッキに出て、船に寄ってくるカモメにエサをあげるのも人気。
0772-22-2164
宮津市文珠466
8:30~17:30(30分おきに出航、季節により変更あり)
無休
天橋立桟橋~一の宮桟橋区間
片道大人600円、小人300円、往復大人1,000円、小人500円(すべて税別)
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次に車を走らせて向かったのは美しい海や豊富な温泉を有する京丹後。京丹波高原豚をはじめとする食も充実しているということで西日本最大級の道の駅「丹後王国 食のみやこ」へ。地元野菜や名産品を購入できるショップのほか、10の飲食店、収穫体験ができる農園や果樹園、牧場まであります。大人も子どもも、食べて遊んで、大満足間違いなしです。
道の駅 丹後王国 食のみやこ
丹後の農家から直送される新鮮野菜が並ぶ「愛菜館」。ゴーカートや芝すべりなどの遊具も充実。ヤギやケヅメリクガメなどの動物たちともふれあえる。
0772-65-4193
京丹後市弥栄町鳥取123
9:00~21:00
※店舗によって異なる。
火曜
※GW・夏休み・年末年始は営業。
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園内のソーセージ工房で作られている「自家製ソーセージ」。京丹波高原豚と丹後の天然海水塩を使用しており、絶品!