歴史と自然に恵まれた九州最大の都市、福岡。活気あるものづくりの街、北九州。
歴史と“今”を感じながら、ショッピングやグルメ、絶景などを満喫できます。
魅力がたっぷり詰まった定番から穴場のスポットまでをご紹介します。
Photos :Ken Hidaka
※本記事に記載している情報は2019年12月時点のものです。ご利用の際は最新の情報をご確認ください。
福岡県は古来、交易の玄関口として重要な役割を担ってきました。中国大陸や朝鮮半島との窓口として「大宰府政庁」や外国使節の迎賓館がありました。
志賀島と九州本土をつなぐ砂州状の地形「海の中道(なかみち)」も、そのひとつ。「海の中道」東部の雁ノ巣(がんのす)に昭和11年、羽田空港に次ぎ日本で2番目の国際飛行場が建設されました。京城、大連、上海、台北など、アジアへの玄関口となりました。終戦後、米軍基地として使用されたのち、昭和56年に優れた自然景観を生かすため、国営の「海の中道海浜公園」が造られました。玄界灘と博多湾に囲まれて、東西に約6㎞、面積約300ha。広大な敷地に足を踏み入れると、季節の花々が出迎えてくれます。キャンプ場やプールなどのレジャー施設、50種の動物に出会える「動物の森」などがあります。「動物の森」ではフサオマキザルが、エサを探す姿も愛らしくて見ものです。
次に、博多湾の対岸にある九州最大級のアウトレットモール「マリノアシティ福岡」へ。福岡市街を一望できる観覧車「スカイホイール」のほか、2019年9月にスポーツ・アスレチック施設「ノボルト」が誕生しました。空中飛行を体験できる「バードグライダー」など、遊びながら体を動かせることも人気のポイント。子どもから大人まで楽しめる施設がますます増えて、福岡観光に欠かせないスポットです。
福岡の夜の風物詩といえば、屋台。暖簾をくぐると、人情味溢れる店主が出迎えてくれます。寒風で冷えた体を温めながら、おいしいお酒と料理に舌鼓を打つ。隣席の初対面の人とも打ち解けて話が弾み、夜がふけるのを忘れてしまうでしょう。
翌日、お隣の糟屋郡久山町(かすやぐんひさやままち)へ。福岡市内から車で30分ほどで、のどかな里山の風景が広がります。この地で創業したのが食品メーカーの久原(くばら)本家。明治26年に醤油蔵として開業して以来、「茅乃舎(かやのや)だし」などさまざまなヒット商品を生み出してきました。直営のレストラン「御料理 茅乃舎」には名物の「十穀鍋」があります。このだしが評判になり、製品化したのが「茅乃舎だし」です。
6㎞ほど離れたところには、久原本家の商品を購入できる「久原本家 総本店」があります。「博多限定茅乃舎あごだし」は、上品ですっきりとした甘みで、さまざまな料理で大活躍してくれるはず。
海の中道海浜公園
写真左上の「光と風の広場」にある博多湾沿いの道は潮風が気持ちよく、散歩にピッタリ。
右下はフサオマキザルのエサやりの様子。
092-603-1111
福岡市東区大字西戸崎18-25
11月1日~2月末/9:30~17:00、3月1日~10月31日/9:30~17:30
12月31日、1月1日、2月の第1月曜とその翌日
マリノアシティ福岡
写真右下は国内最大級の屋内型アスレチック「ノボルト」。スポーツとエンタメが融合した16種のアトラクションを楽しめる。
092-892-8700
福岡市西区小戸2-12-30
物販店・フードコート10:00~21:00、飲食店11:00~23:00(2月の平日は物販店・フードコート~20:00、飲食店~22:00)
※一部店舗を除く
無休
屋台街
18時頃になると、中洲、天神、長浜エリアに暖簾を掲げた屋台が並ぶ。ラーメン、おでん、餃子、焼き鳥など福岡グルメを味わえる。
写真は「峰ちゃん」の「国産牛タンステーキ」(1,800円税込)。おでんもおすすめ。
御料理 茅乃舎
茅葺き屋根の建物。そばには蛍の住む清流が流れており、日本の原風景を感じさせる。料理はすべてコ―スで、旬の食材を使った料理の数々をいただける。写真左は「十穀鍋」。かつおから丁寧にとっただしは絶品。喫茶スペース「茶舎」も併設。
092-976-2112
糟屋郡久山町大字猪野字櫛屋395-1
レストラン11:00~15:30(L.O.13:30)、
17:00~22:00(L.O.20:30)、
茶舎11:00~22:00(L.O.21:30)
水曜(祝日の場合はその翌日)
ものづくりの街、北九州市へ
さらに足をのばして、北九州市へ。福岡県は日本の近代産業の発展に大きく貢献してきました。明治から昭和にかけて、筑豊や大牟田で石炭の産出が盛んになり、鉄鋼や金属を中心とする北九州工業地帯が形成されます。昭和38年には門司(もじ)、小倉(こくら)、戸畑(とばた)、八幡(やはた)、若松の5市が合併して北九州市が誕生しました。
八幡東区にある「皿倉山」の展望台に登ると、そんな北九州市街地を見渡せます。ケーブルカーとスロープカーを乗り継ぎ、10分ほどで標高622mの山頂に到着。青く広がる玄界灘、赤く映える若戸大橋、工場群からもくもくと上がる煙も一望できます。空がオレンジ色に染まって日が沈み、次第に美しい夜景に。「新日本三大夜景」のひとつに選定された〝100億ドルの夜景〟です。街と工場が放つ幻想的なきらめきは、寒さにこごえたぶん、さらに美しく輝いて見えるでしょう。
小倉にはかつて城下町として栄えた名残ある見どころがたくさんあります。
この地で大正6年に創立したのが、東洋陶器株式会社(現TOTO株式会社)。小倉を選んだのは、原料と窯で焼く燃料の産地や輸出のための港が近いなどの理由から。「TOTOミュージアム」はTOTOの100周年を記念して造られた施設です。TOTO製品の歴史や日本の水まわりの変遷などを学べます。なんとウォシュレット(※)には、多くて400もの部品が使われているのだそう。
小倉の庶民の味といえば「肉うどん」。なかでも「八っちゃんうどん」は柔らかいスジ肉と甘めの汁が絶品です。ぜひご賞味を。
北九州へ飛ぶには、黒い機体がかっこいいスターフライヤーはいかがでしょう。北九州空港と福岡空港の両方で利用可能。レザーシートに体を預ければ、エキサイティングな旅の余韻に浸れます。
※「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標
皿倉山
北九州を代表する山。写真右はスロープカー。ガラス張りの車窓からパノラマの絶景を楽しめる。
093-671-4761
北九州市八幡東区大字尾倉1481-1
平日/10:00~18:00(上り最終17:20)、金・土・日・祝日/10:00~22:00(上り最終21:20)
※スロープカーはケーブルカーの発着に接続
第1・第3火曜
TOTOミュージアム
白で統一された清潔感のある建物は、手前が「水滴」、奥が「緑豊かな大地」をイメージして造られた。中はテーマごとに分類された4つの展示室で構成されている。オリジナルグッズを購入できるミュージアムショップも見逃せない。
093-951-2534
北九州市小倉北区中島2-1-1
10:00~17:00(入館は16:30まで)
無料
月曜、年末年始、夏季休暇
※都合により変更の場合あり。
給水タンクの変遷。「ハイタンク式」から「ロータンク式」そして「タンクレス形状」へと進化した様子が分かる。
幼児用の便器と力士用の便器は座って通常サイズとの違いを体験できる。
八っちゃんうどん
小倉名物の「肉うどん」には生姜がのっており、お好みで唐辛子をのせていただく。写真は日替わりランチで780円(税込)。
093-953-9767
北九州市小倉南区葉山町2-2-23
10:30~15:00
不定休
スターフライヤー
国内7都市6路線と台北への2路線を運航。機体とシートの色が黒で統一されている。全席レザーシートで、他社のシートが最大180席のところ、すべて150席に設定されており、シートピッチが広くゆったり座れる。
ヘッドレストやフットレストは快適な角度に調整できる。
0570-07-3200 (国内線予約・案内センター)