環境課題への取り組み

気候変動への対応

気候変動への対応

環境目標の設定

 地球温暖化や森林の減少・海洋汚染による生物多様性の喪失など、人類は環境保全上極めて深刻な状況に直面しています。

 ALSOKにおいても、地球温暖化対策の取り組みをより一層強化するために、短期、中期、長期目標を設定しています。

短期目標

 ALSOKグループでは、年度ごとにCO2排出量に関する目標を設定し、削減に取り組んでいます。

 2023年度は「ALSOKグループ全体におけるCO2排出総量の前年比4.8%削減」および「ALSOKグループ全体におけるCO2排出量(売上高原単位)の前年比8.52%削減」を目標としています。

前年度における目標と実績
2022年度目標 実績※1
ALSOKグループ全体におけるCO2排出量の売上高原単位を前年度比5.7%削減 CO2排出量の売上高原単位 0.170t-CO2/百万円(前年比▲2.26%)
→目標未達成
ただし、CO2総排出量は83,116t-CO2(前年比▲2.38%)
  1. ※12022年度目標の設定時期を考慮し、当該年度におけるグループ会社買収の影響を除外しています。

中・長期目標

 これまで、中期目標「2031年3月期のCO2排出量を26%削減(2013年度比)」および長期目標「2050年までに80%削減」を掲げてきましたが、政府目標との整合性を図るべくこれらの見直しを行い、2023年に新たな目標を設定しました。

中期目標※2 長期目標
①2030年度までにALSOKグループ全体でCO2排出総量を2013年度比46%削減
②2025年度までにCO2排出量(売上高原単位)を2013年度比57.2%削減
2050年度までにALSOKグループ全体のスコープ1+2でカーボンニュートラル達成

 短期目標および中・長期目標の達成に向けて、社内で制定している車両買替基準に基づく環境対応車両(EV、HV)へ買い替えや、自社施設のLED化、導入後10年を経過した空調設備のリニューアル、OA機器の買い替え等を推進してまいります。

  1. ※2ALSOKグループの中期目標の再設定にあたり、2022年7月のグループ会社買収によって生じた構造的変化を加味し、基準年度排出量の再計算を行いました。

使用エネルギーの削減に向けた取り組み

 ALSOKは、全国に数多くの事業所・施設と業務用車両を保有していることから、電力使用量および車両運行に関する燃料使用量の削減に全社を挙げて取り組んでいます。2022年3月期も、社員それぞれに定着した節電意識に加え、機械警備業務における車両待機方式の見直し、低燃費車や電動バイクなどの積極的導入、さらには営業員の折衝先訪問ルートの効率化や技術員の夜間配置人数の削減による車両走行距離の短縮に取り組みました。また、ALSOKは、気候変動に関連する法規制である省エネ法を支持し、年1回、行政へエネルギー使用量を報告しています。

  1. ALSOKでは、サービス提供に用いる車両運行に必要な車両燃料を「原材料」と認識し、大気汚染防止や資源保護の観点から、無駄な使用が無いよう努めています。

燃料使用量の推移(車両・グループ)

電力使用量の推移(千kWh・グループ)

介護会社のM&Aにより電気使用量増加

車両燃料の削減

 CO2排出量削減目標の達成に向けて、照明や空調設備のリニューアルを推進しているほか、節電やエコドライブなどの取り組みも行っています。

 ガードマンが車両で現場に駆け付けるという業務の特性上、車両の使用機会が多いため、環境に配慮した電気自動車やハイブリッド車への積極的な買い替えを行い、CO2排出量の削減に努めています。

 また、2022年より都市圏などの密集エリアにおけるガードマンの駆けつけに使用する三輪バイクを、「電動三輪バイク」へ置き換える取り組みを開始しました。さらに、燃費性能などを分析し、東京都以外の都市への導入も検討していきます。2023年12月末現在、首都圏を中心に94台の電動バイクを導入しており、2027年度には約200台まで拡大させる予定です。

電動バイク ジャイロキャノピーe

 また、ALSOK本社やグループ会社のALSOK福島では、水素で走る燃料電池車も導入しています。

 ALSOK福島においては、復興加速に向けた福島県の活動に賛同し、風評払拭および風化防止につなげるためのスローガンステッカーを業務車両に貼ることで、復興の後押しだけでなく、脱炭素社会の実現も呼び掛けています。

シェアサイクルの導入

 静岡支社では、環境面から社会課題に取り組みSDGs達成に貢献することを目指して、2021年に静岡市のシェアサイクル事業「PULCLE(パルクル)」のステーション設置を開始しました。PULCLEとは、静岡市内の複数のサイクルポートに設置された、いつでも、どこのポートでも貸出・返却できる電動アシスト自転車です。PULCLEは、主に市内における近距離での営業活動に活用されており、営業員・総務員からも「ステーションへの乗り捨てが可能なため、駅周辺での行動範囲が広がり非常に便利」と好評です。さらに自転車の活用とエコドライブなどの努力により、営業車の台数削減や1台当たりの燃料使用量削減が促進され、環境負荷軽減への貢献度を向上させることができています。

静岡支社に設置されたPULCLEステーション

太陽光発電の導入

 ALSOK群馬では、①電力購入量削減によるコストカット、②CO₂排出量の削減、③停電時に電力を確保できる環境整備(BCP対策)を目的として、2020年10月に本社屋上に太陽光発電設備を導入しました。その結果、導入後1年間の電力購入量は、前年同期より19.2%削減され、コストとCO₂排出量を大幅に抑制することができました。

ALSOK群馬本社屋上の太陽光パネル