人材価値向上への取り組み
人材価値向上への取り組み
人材育成の基本的な精神
ALSOKグループでは、企業活動の最も重要な源泉は人材であるという基本的な考え方に基づき、「お客様と社会の安全・安心の確保のために最善を尽くす」という経営理念を実現するためにさまざまな研修を行っています。「経営理念」「経営指針」「行動規範」などの基本的な精神の理解・浸透を図り、あらゆる業務運営の場面にて実践されるよう社員の能力を開発する研修体系を構築し、ALSOKを取り巻く環境の変化や社会のニーズを的確に読み取り、各種会社施策を実行できる人材の育成に努めています。2023年3月期におけるこれらの研修・教育の1年間の総計はグループ全体で約396,241時間におよび、社員一人当たりの研修・教育の平均時間は10.2時間、平均受講日数は1.5日となっています。
さらにALSOKの将来を担う新入社員に対しては、新たに警備員資格を取得し、さらに 業務に必要となる共通の知識や技能、倫理観などを学んでもらうため、研修所における 「初任研修」で訓練を36時間50分行っています。また、職種別に 体系化された計画に基づき、それぞれの配属部署でのOJTを実施するなど、充実した教育プログラムを用意しています。
2018年度に導入したeラーニングシステムの範囲を2021年度から拡大しました。専門知識の習得が中心となる研修を集合研修からeラーニング研修へ変更することで、コロナ禍で集合研修が実施できない状況でも、教育機会を継続して提供することが可能となりました。
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1人当たりの平均研修受講時間
- 10.2時間
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本社企画研修の開催時間
- 195時間
社員力向上プログラム
ALSOKでは、集合教育やOJT以外の能力開発機会を幅広く提供するとともに、自学自習の精神による社員の自己啓発を支援し、社員の資質および業務遂行能力等を向上させることを目的とした「社員力向上プログラム」を推進しています。
具体的には、自己啓発講座の開催支援や社員の読書環境の整備支援、支社の教育責任者に対する指導、教育支援コンテンツの提供などを推進しています。
また、社員が自己啓発に取り組む契機は読書にあるという考えに基づき、本社ビル9Fと東京研修所(稲城市)の2ヵ所に「ALSOK LIBRARY(社内図書館)」を開設し、全社蔵書数は約3,000冊となっています。社内イントラネットでの申込みにより、社内メール便で貸出書籍を配送することもでき、遠隔地の事業所社員も利用することができます。
専門性の深化
ALSOKグループでは、組織の活性化と社員力向上を促進するため、中央省庁や他企業、グループ内での人事交流を積極的に進めています。また、日本大使館・領事館の警備を担当する警備対策分野の要員を社内公募し、グローバルに活躍できる人材の育成にも努めているほか、基幹事業である警備業以外にも、介護事業などのあらゆる事業領域において公募制度を取り入れ、事業の中核となる人材の発掘・育成にも努めています。
さらに、人口の減少、技術革新、グローバル化など、社会環境の激しい変化の中で持続的発展を遂げていくためには、経営に関する体系化された高度な知識や技能を習得した経営人材の育成が急務であるという認識から、仕事を続けながら高度な経営知識を学ぶことができる専門職大学院に社員を派遣しています。
越境学習(社外研修)
ALSOKでは、所属組織の枠を超え、他業界の人材と意見交換や情報交換を行う越境学習の機会を社員に提供しています。異なる ノウハウや価値観に出会う機会を得ることで新たな視座を獲得し、自社の慣習やワークスタイルなどについて見直し、必要な改善を 行うことができる人材の育成に向けて取り組みを強化しています。
公的資格取得の推進
ALSOKの事業において各種業務の資格検定が必要であることから、ALSOKはグループを挙げて社員の公的資格の取得率向上を目指しています。主な施策にALSOK独自の「ALSOK基準」を掲げ、各所属に公的資格などの取得数値目標を設定するほか、社員の高難易度資格取得に対する動機づけを図るとともに、優秀な人材を確保 するため、会社が定める資格を保有し特定の業務に従事する社員に対して資格手当を支給する制度を新設しました。
技術職の例では、主管部による社内掲示板での資格参考情報の発信や、全国の技術員向けのeラーニングを導入し、工事担任者・消防設備士・電気工事士など、公的資格の取得を推進しています。
公的資格の例
- 警備員指導教育責任者
- 機械警備業務管理者
- 貴重品運搬警備業務検定
- 施設警備業務検定
- 空港保安警備業務検定
- 救命技能認定(AED業務従事者)
- 応急手当普及員
- 防犯設備士・総合防犯設備士
- 宅地建物取引士
- マンション管理士
- 損害保険募集人資格
- システム監査技術者
- ITストラテジスト試験
- 技術士
- 電気主任技術者
- 工事担任者
- 電気工事士
- 応用情報技術者
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者
- 消防設備士
インターンシップの提供
ALSOKでは、大学生・大学院生・短大生・専門学生(学年・学科・専攻不問)に在籍している学生を対象に、継続してインターンシッププログラムの提供を行っています。ALSOKの事業内容に触れてもらい、社会に対し広い視野と経験を身につけてもらうことで、将来の日本の安全安心を守る若者の就業意識の醸成に努めています。
研修の外部提供
ALSOKの新入社員研修がテレビ番組などで紹介されたことを機に、数多くの学校や企業より研修実施の要望をいただき、2011年から社会人としての基礎力向上を目指す「ALSOK塾」を社外の皆様にも提供しています。
ALSOKの発展を支え続ける新東京研修所 ALSOK稲城ビル
ALSOKは、千葉県印西市の研修所で多くの研修を行ってきましたが、研修生の移動に時間と費用がかかること、また、業務の多角化による研修の増加やそれに伴う収容人員の不足などを解消するために、2016年3月、東京都稲城市若葉台に研修所と会社機能を擁した「ALSOK稲城ビル」を竣工しました。当ビルは、一般の社員も常勤する複合施設であるため、社員同士の交流の場となるコミュニティスペースや栄養バランスの整った食事を提供する広い食堂も設置しています。宿泊室の上下をつなぐ白を基調とした吹き抜けはとても明るく、間接照明を設置したことで落ちついた雰囲気となっています。そのほか、研修やグループ等の会議にも利用する広い講堂や、収容人員240名の研修室、大・中・小の浴場を備えた宿泊施設(最高200名宿泊可能)など、社内・グループの研修生だけでなく、「ALSOK塾」などに参加するゲスト宿泊者も気持ちよく研修を受けられるように設計段階から工夫しました。
「マルチステークホルダー方針」を公表
ALSOKは、お客様、従業員、株主・投資家、取引先、地域・グローバル会社などのマルチステークホルダーとの適切な協働を通じ、社会に「安全・安心」を提供することが企業経営において重要と考え、「マルチステークホルダー方針」を策定しました。
企業経営で生み出された収益・成果について、従業員への還元や取引先への配慮が、企業および社会経済全体の持続的成長において重要であることを踏まえ、マルチステークホルダーへの適切な分配を進めてまいります。