労働環境・人材開発

安全・衛生管理

安全・衛生管理

社員と職場の安全衛生管理

 警備会社にとって社員の心身の健康を維持し、安全衛生を確保することは重要な課題です。ALSOKでは安全衛生の確保を最優先とし、安全で衛生的な職場環境の整備に努め、万一、業務上の災害が発生した場合は事故を最小限に止め、即時報告等の手続きを確実に実行することなどをコンプライアンスマニュアルの行動基準に定めています。また、毎月、社内における交通事故の状況を全事業所に通知し、その中で教訓事故事例と事故発生の理由を解説し、再発防止と社員の安全管理に努めています。なお、過去3年間において、ALSOKでは契約社員を含む全社員の労働災害における死亡事故は発生していません(2023年3月末現在)。

 さらには、労働安全衛生法に基づく安全衛生委員会を各事業所に設置し、管理職による労働者代表との協議を行い、労災事故防止等の目標の設定などに取り組むことにより、社員の健康維持と安全対策を徹底しています。すべての社員に対しては、年に1回、安全衛生に関する教育を行っています。また海外においても、事業所の開設の際には周辺の治安状況や安全状況を入念に調査して検討するなど、社員と職場の安全確保に取り組んでいます。

 従業員への教育はもちろんですが、課長・隊長等の管理職候補者を対象とした研修においては、部下の健康を守るため、安全衛生に関する科目も取り扱っています。約16時間の研修のうち、2時間を健康や安全基準についての講義に充てており、2022年度は148人が受講しました。また、マネージャークラスの社員を対象とした研修においては、いじめやハラスメントに関する事例を用いることで、より具体的な対処方法を教訓として学んでいます。

 また、安全衛生の向上と事故の未然防止についての取り組みを進める傍ら、万一の怪我や死亡に至る事件・事故の発生に備え、報告体制を整備し、運用部門や人事部門等の複数部署が連携して、迅速に調査、報告、事後対処を実施する体制を構築しています。

 このような社員の健康と安全に関する事項は、人事統括担当役員の責任のもと、社長以下の役員が出席する業務執行会議にて報告しているほか、年に一回の取締役会においても報告しています。

 ALSOKでは、委託先における健康維持と安全衛生管理が、事業継続に重大な影響を与える可能性があると認識し、新規契約の際は、契約関係書類に「安全衛生」および「作業員の福祉」の条項を入れ、安全衛生機構・安全衛生責任者の選任や、労災保険・健康保険・雇用保険・退職金制度の有無等を確認し、委託先における社員の健康と安全も管理しています。

心の健康管理とALSOKサポートライン

 ALSOKでは、厚生労働省の指針に基づき「心の健康づくり計画」を策定し、「社員の心の健康づくりに関する具体的指針」を掲げ、心の健康維持や安全な職場づくりを継続して改善できるように取り組むとともに、相談窓口となる「ALSOKサポートライン」を設置するなど、社員の悩みに柔軟に対応するほか、上司がメンタルヘルス不調者への対応を適切に行えるようマニュアルを作成し、社員の心の健康維持に努めています。2012年からは、「ALSOKサポートライン」の利用範囲をグループ会社まで拡大(現在、グループ43社が利用)し、体制の充実を図っています。「ALSOKサポートライン」では、「対面相談」「電話相談」「メール相談」などさまざまな相談手段を用意し、社員およびその家族が相談しやすい環境を整えています。2022年度はグループ全体で334件の利用実績がありました。

 また、平成27年の労働安全衛生法の改正により、ストレスチェックが企業に義務付けられましたが、ALSOKは法令に適切に対応したストレスチェック制度を実施するだけでなく、働きやすい職場づくりを進め社員がメンタルヘルス不調に陥らないよう取り組んでいます。

社員の健康管理および健康保険組合との協働

 社員の心身の健康を維持し、安全衛生を確保することは、企業が事業継続していくための最重要課題です。ALSOKでは、安全衛生委員会を各事業所に設置し、労災事故防止等の目標の設定、安全衛生教育の策定・実施などに取り組み、社員の健康維持と安全対策を徹底しています。社員が能率的で高い業務執行能力を発揮できるように、一定期間ごとに健康診断を実施し健康管理を行い、2010年からは、厚生労働省が推進する「がん対策推進企業アクションパートナー」に参加し、一定の年齢に達すると胃がん、肺がん、大腸がん等の検診を同時に受診できる人間ドックの体制を整え、社員の健康管理を行っています。検診の結果、所見に異常があれば産業医や検診機関の医師等の診断を受けるよう指導を行い、対象者が積極的に受診できる体制を整えています。

 また、社員の健康維持に関する独自の取り組み以外にも綜合警備保障健康保険組合との積極的な協働を進めています。協働する取り組みについては、数値目標を設定し、社長も参加する最高意思決定機関の組合会にてレビューする体制を構築しています。主なものとしては、人間ドック検診の結果が一定基準を超えた者に対し、病状の重症化等を防ぐために病院受診を促す「受診勧奨」通知や、生活習慣や健康改善のきっかけづくりとしてゲーム感覚で取り組める期間限定の健康増進イベントなどがあります。これらは厚生労働省の「データヘルス計画」に関する取り組み事例としても取り上げられており、イベントの参加を通して社員の運動意識を高める効果が確認されました。参加者は、自身の設定した目標に対する毎週の達成度報告や健康管理に関するコラムを読むことでポイントを取得し、ポイント数によって景品が用意されているため、最後まであきらめずに頑張ることができます。

社員の健康維持・推進に向けての取り組み

 スポーツ施設やホテルなどを優待料金で利用できる福利厚生プログラムや、万が一、長期にわたって仕事を休む場合の支えとなる保険制度を備えているほか、心身の健康に関する相談窓口の設置や、健康保険組合との協働による健康イベ ントの開催など、社員とその家族が健康で充実した生活を送ることができるよう支援しています。

 これらの取り組みが評価され、警備業界で唯一、8年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。本制度は、経済産業省と日本健康会議が共同で、保険者と連携して優良な健康経営を実践している法人を認定する制度です。健康増進を目的とした各種イベントや、「がん対策推進企業アクションパートナー」としての取り組み、「ALSOKサポートライン」の設置など、社員の健康維持・推進に向けた取り組みが評価され、制度がスタートした初年度での認定となりました。

 ALSOKはこれからも、社員の健康管理を経営的な視点で考え、健康維持・推進に向けて積極的に取り組んでいきます。

健康経営優良法人の認定マーク
健康増進に向けた社員参加型イベント

ALSOK健康宣言

  1. 1ALSOKは、社員の健康を第一に考え、優先的経営課題として健康経営に取り組みます。
  2. 2ALSOKは、健康保険組合との積極的な協働を進め、社員の健康維持・増進に向けて取り組みます。
  3. 3ALSOKは、健康経営を推進し、社員とその家族が健康で充実した人生を送ることができる『警備のリーディングカンパニー』として発展を続け、これからも社会の安全・安心の確保に貢献してまいります。

事業継続計画における感染症等の社員の安全管理への対応

 社員自身の健康と安全を考えるうえで、新型インフルエンザ等の世界的に流行する危険のある感染症への備えも重要です。そのような感染症に対するリスク管理の一環として、インフルエンザの流行時期に合わせ予防注射の接種を推奨し、接種した社員およびその家族に補助金を支給しています。HIV/AIDS、マラリア、結核(世界三大感染症)が現地の病気となっている国を含む海外の駐在員に対しては、外務省の感染症情報を海外事業担当部署にて常時確認し注意喚起を行っています。長期出張者や帯同する家族も含め、予防接種と健康診断の実施を必須とし、渡航後の医療相談などのサポートサービスも提供しています。また、「事業継続計画」において、「疾病の蔓延等」を想定リスクに定め、予防対策の行動計画を策定し、イントラネット上でウイルス感染に対する注意喚起を行うなど必要な体制を整備しています。これらの取り組みに加え、2014年3月には事業継続に関する国際規格ISO22301を取得し、社員の安全の確保などを含む継続的な改善にも取り組んでいます。

関連リンク

社員との対話の実施

 働きやすい職場づくりには社内のコミュニケーションが重要です。ALSOKは、経営層と社員が双方向に意見交換を行うことができる場を設け、社内の活性化を図っています。例年「ES(社員満足)懇談会」を年100回程度開催しており、人事総括担当役員、人事部長または地域本部長が座長となり、参加した社員からの問題提起や意見を会社が汲み上げるとともに、社員自らも、会社の制度、方針等に関する理解を深められる機会となっています。なお、提案された意見・要望は社内施策などに活用されています。

社員との対話

 社員のエンゲージメントを高めるため、社長と若手社員が対話する機会を年間41回設けました。対話を通じて、若手社員ならではの意見に触れるなど、意見交換を積極的に行っています。さらに、社員からの問題提起や意見を会社が汲み上げることを目的に、社員と人事担当役員等による懇談会も毎年行っており、2022年度は43回開催しました。

社長と若手社員の対話会

社員の声を聞く仕組み ~社員アンケート調査~

 ALSOKでは、「第一線で働く社員の意識や価値観などを的確に把握し、これに基づいて施策を推進して、より活力のある会社にする」ことを目的に、1999年から毎年継続的に社員アンケート調査を実施しています。主に会社のマネジメント、仕事・職場に対する意識、各種社内制度に対する社員の意識等を調査しています。アンケート結果は、社内報に掲載する形で社員へフィードバックするほか、新たな施策検討の基礎資料として活用しています。
 また、2020年3月期のアンケート調査からは対象者を全社員に拡大し、より多くの意見を収集できるようになっています。

社員アンケートの実施

 ALSOKでは、社員の職場に対する認識、モラル、価値観などを把握し、これらに基づいた施策を推進することを目的に、1999年から社員アンケートを実施しています。
 アンケートの内容は、仕事や処遇に対する満足度に加え、社内の各種制度に対する評価、個人の目標設定、自己の能力や自己成長に対する評価、働き方に対する意識確認等多岐にわたります。社員の意見を吸い上げ、各種施策に反映させることにより、社員と会社のエンゲージメントの向上を目指しています。

近年の導入施策例

  • プラチナホリデー制度の導入(2018年)
  • 育児従事者の半日単位有給休暇取得上限日数の撤廃(2019年)
  • 育児にかかる「始業時刻の繰上げまたは繰下げ勤務制度」の適用年齢拡大(中学生未満)(2023年)