どのようにすれば被害を最小限に食い止めることができるのでしょうか?
人的被害を伴った地震の数は149回
左の図は平成8年以降に日本で人的被害を伴った地震の震源地を示しています。
その回数は149回にも上り、地震による被害はいつか起こるかもしれない危機ではなく、すぐ側にある危機であることがわかります。
出展: 気象庁ウェブサイト「日本付近で発生した主な被害地震(平成8年以降)」ページ、平成29年7月までの情報をもとに作成
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家で地震にあった場合
頑丈なテーブルの下などに身体を隠し、テーブルの脚をつかみしゃがみます。
無理にガスコンロの火を消そうとはせず、揺れが収まるのを待ちましょう。(大きな揺れの場合、ガスの供給は自動で遮断されるケースが多いため事前に確認しておきましょう) -
オフィスで地震にあった場合
オフィスでは重いキャビネットや、印刷複合機など危険なものが多いため、揺れが収まるまではデスクの下などに身体を隠します。社屋がビルの場合は、倒壊の危険性は少ないので、慌てて避難行動を行わず、落ち着いて状況を判断しましょう。
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外出時に地震にあった場合
ビルから割れたガラスや外壁、看板などが落ちてくる可能性があり危険です。頑丈そうな建物が近くにあれば、建物内部へ避難しましょう。自動販売機やブロック塀など、倒壊する危険性があるものには近づかないようにしましょう。
被害想定は都内だけで5万人以上!!
大地震が発生した場合、多くの人が家具の転倒・落下により負傷すると予測されます。東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3の地震が冬の夕方に発生した場合、都内だけで約54,000人もの人が家具転倒・落下により負傷すると想定されています(東京都防災会議の被害想定)。
家具の転倒・落下防止は、震災時の負傷防止策として重要度の高い対策です。
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家具の配置場所をチェック
寝ている場所の周りをチェックしましょう。高いタンスの前やエアコンの真下で寝ることは避けましょう。また、2階にある大きい家具、重い家具はあらかじめ1階に移動しておきましょう。避難経路を塞がない家具配置も重要です。
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家具を倒れにくくするには…
家具を倒れにくくするためには、重いものを家具の下の方にしまうようにしましょう。家具全体の重心を下げることで家具が倒れにくくなります。
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ガラス棚には飛散防止フィルム
食器棚やサイドボードなどガラス面のある家具は、ガラス面に飛散防止フィルムを貼りましょう。家具が転倒しなくても、収納物がぶつかりガラスが割れることがあります。飛散したガラスは負傷の原因になり、避難経路を塞ぐことにもなります。
地震が起きる前に情報と備蓄品を揃えておきましょう。
ハザードマップを確認する
国や自治体が発行しているハザードマップを確認し、危険な場所や指定緊急避難場所を日ごろから確認しておきましょう。
また、防災科学技術研究所が公表している「地震ハザードカルテ」では、自分の家や勤務先など任意の場所の地震危険度を調べることができます。
緊急地震速報
緊急地震速報は地震を予知するのではなく、地震発生直後の速報です。そのため揺れが到達するまでの猶予時間は長くても数十秒ですが、安全な場所への移動、作業の中断、機械の停止などを行い、身の安全を確保してください。
日ごろから訓練を行い、とっさに身を守る行動を起こせるようにしておくとよいでしょう。
液状化(液状化現象)
地震の際、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象です。これにより建物が傾いたり、マンホールや土管などが隆起したり、道路の陥没がおこります。過去に地震の揺れに耐えることができた家でも、 その後の液状化により大きく傾く事案が多発しました。
日ごろから、各自治体から公表されている危険度マップを確認しておきましょう。
高層難民
被災時に、高層のオフィスビルやマンションで、エレベーターや電気・ガス・水道等インフラの停止により、高層階に取り残され、生活が困難になってしまう場合があります。
日ごろから、避難経路の確認や備蓄を用意するなど心掛けましょう。