2024年から発行される新一万円札の顔に決まった実業家・渋沢栄一。
大河ドラマ『青天を衝け』の主人公としても話題です。
渋沢栄一が生まれ育った深谷をはじめ、行田、熊谷、大宮などの町をめぐります。
Photos:Naoto Shoji
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、開業日や営業時間は変更の可能性があります。訪れる際は、事前にお電話にてお問い合わせください。
渋沢栄一は、深谷市血洗島(ちあらいじま)の農家に生まれ、幼少の頃から畑仕事のほか、染料となる藍玉づくりや蚕の世話などを手伝っていました。現在、渋沢生誕の地、旧渋沢邸「中の家(なかんち)」に建つ主屋は、渋沢の妹夫婦が明治28年に建て直した建物です。主屋を囲むように副屋、土蔵、正門、東門が建ち、当時の典型的な養蚕農家の形を残しています。渋沢が藍玉づくりや蚕の世話をしていた中庭を歩いたり、建物を見学することができます。
旧渋沢邸「中の家」から歩いて10分のところにある「渋沢栄一記念館」では、渋沢の幼少期から晩年までの資料や写真が紹介されています。血洗島にある諏訪神社の祭礼で渋沢も舞っていた「血洗島獅子舞」や、渋沢が尽力して日米友好の架け橋として米国から贈られた「青い目の人形」など興味深い展示が並びます。また、事前予約をすれば、渋沢栄一が唱えた「道徳経済合一説」の講義を受けることができます。講義をするのは渋沢栄一アンドロイド。肌の質感やまばたきをする様子はとてもリアルです。生前の肉声をもとに再現された声で、身振り手振りを交えながら語りかけてくるので、ほんとうに渋沢栄一の講義を受けているように錯覚します。
今年2月、深谷市に新たに「渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館」がオープンしました。館内ではドラマで使用した衣装や小道具を展示しています。展示内容はドラマが進むにつれて追加されていくので見逃せません。
渋沢栄一記念館
事前予約制。1階資料室で渋沢ゆかりの遺墨や写真などを展示。2階講義室では渋沢栄一アンドロイドのほか、貴重な渋沢の肉声による「道徳経済合一説」を聞くコーナーもある。
048-587-1100
深谷市下手計1204
9:00~17:00(渋沢栄一アンドロイドによる講義は9:30~16:00、最終講義は15:30から)
年末年始、その他臨時休室あり。詳しくはHPをご確認ください。
無料
※予約についてはHPをご確認ください。
記念館の敷地内に立つ、渋沢の銅像。高さ約5m。
1階資料室。
渋沢栄一アンドロイド。司会者とのかけあいも楽しい。
旧渋沢邸「中の家」
渋沢栄一が使用していた10畳の部屋では、渋沢栄一が80歳の頃を再現した、「中の家」のアンドロイドを公開中(2021年12月26日まで)。
048-587-1100
深谷市血洗島247-1
9:00~17:00(入場は16:30まで)
12月29日~1月3日
無料
渋沢栄一 青天を衝け
深谷大河ドラマ館
「中の家」のセットを忠実に再現したり、メイキング映像を上映。大河ドラマの世界観を体験できる。開設期間は2022年1月10日まで。
048-551-8955(入場券販売管理センター)
深谷市仲町20-2
9:00~17:00(入場は16:30まで)
無休
大人(18歳以上)800円、 小・中・高校生400円、未就学児は無料
岩畳が続く渓流の地、長瀞(ながとろ)。「阿左美冷蔵」は明治時代からこの地で天然氷を作っています。10月から1か月かけて氷池の手入れをし、11月中旬から宝登山(ほどさん)を水源とする伏流水を入れていきます。落ち葉や雪を掃除して凍るのを待ち、1月に採氷(さいひょう)。そうして作られた天然氷のかき氷は、舌の上でふんわりと溶けて甘味を感じます。天然素材の「秘伝みつ」は、アレルギーの方も食べられるように研究を重ねたもの。和三盆糖ベースの上品な甘さが、天然氷のおいしさを引き立てます。
阿左美冷蔵 金崎本店
明治23年創業。1992年よりかき氷の直営店をはじめる。近くに寶登山道(ほどさんどう)店もあり、夏はどちらも行列ができるほど大人気。
「蔵元秘伝みつ 極みスペシャル あずき粒あん&抹茶あん&白あん付き」(1,500円、税込)。お口直しの梅干し付き。「秘伝みつ」やあんは自分で好きな量をかけられる。まずは天然氷のみで味わうのがおすすめ。
店内は和風モダンで居心地がよい。
流氷をイメージした庭のテラス席。敷地内にはアートギャラリーを併設。版画家の一面も持つ五代目・阿左美哲男さんの版画作品や、阿左美さんが集めた美術家の作品を見ることができる(土・日・祝日のみ開館、有料)。
歴史を感じるなら行田(ぎょうだ)市もはずせません。小説・映画『のぼうの城』の舞台となった「忍城(おしじょう)」の本丸跡に建つ「行田市郷土博物館」では、水攻めに耐えた忍城の資料のほか、足袋産業や古墳文化など行田市の歴史や文化を学べます。
お土産で人気なのが隣の熊谷市で創業した「梅林堂」です。2020年に銘菓「やわらか」の販売10周年を記念して生サブレ「やわらかゴールドプレーン」を発売。しっとりした食感とバターのやさしい甘さに、幸せな気持ちになれます。
行田市郷土博物館
048-554-5911
行田市本丸17-23
9:00~16:30(入館は16:00まで)
月曜(祝日や振替休日の場合はその翌日)、年末年始
大人200円、高・大学生100円、小・中学生50円
石田三成による水攻めに耐えた「忍城」。櫓(やぐら)の最上階は展望室になっており、行田の町を一望できる。市内には石田三成が築いた石田堤もある。
重要有形民俗文化財に指定された足袋製造専用のミシン。酒巻古墳群から出土した埴輪や須恵器も必見。
梅林堂 箱田本店
048-521-4651
熊谷市箱田6-6-15
10:00~18:00
無休
元治元年の創業以来、100以上の和菓子と洋菓子を作り続ける。「やわらか」はゴールドプレーン味、プレーン味、抹茶味、みるく味、いちご味のほか、季節限定味もある。
100%国産バターと自家焙煎の浅炒りきなこなど18種の素材を使用した生地でホワイトチョコレートガナッシュを包んでいる。
さいたま市の北端にある「大宮花の丘農林公苑」は、約10.9haの敷地のうち約3.3haが花畑になっており、四季折々の花を楽しめます。4月にはチューリップが赤、ピンク、白、紫、オレンジ、黄色と色とりどりに咲き誇ります。また、7月にはサルビアが咲き、花畑一面が真っ赤に染まる風景は圧巻です。のんびり散策するのもおすすめです。
歩き疲れたら、お風呂とカフェが融合した「おふろcafe utatane」へ。県内神川町(かわかみまち)の「白寿の湯」からの運び湯を使った露天風呂に入れば、疲れがとれます。さらにおすすめは大浴場にあるフィンランド式サウナ。ログハウスになっており、中に入ると木の香りが広がります。温度が60℃と低いのでサウナ初心者でも安心。入浴後は北欧の雰囲気を感じられる休憩スペースでハンモックに揺られたり、ソファで読書をしたり、カフェでごはんを食べたりと自由に楽しめます。
大宮花の丘農林公苑
写真右下下は園内にある「花の食品館」。1階には農産物等直売所があり、地元で獲れた新鮮な野菜や加工品を販売している。2階には地元でとれた野菜を使ったメニューを提供する「花の丘レストラン」がある。
048-622-5781
さいたま市西区大字西新井124
4月~9月7:30~19:00
10月~3月8:00~18:00
無休
無料
「花の食品館」
●農産物直売所
11:00~16:00
月・火・木・金曜
●花の丘レストラン
11:00~17:00
月・火曜
おふろcafe utatane
048-856-9899
さいたま市北区大成町4-179-3
10:00~翌9:00(受付終了は翌8:30)
フリータイム入館(館内着・タオルセット込み)
平日大人1,386円、小学生以下693円、土・日・祝大人1,518円、小学生以下759円
休憩スペースには暖炉があり、癒される。頭上にゆらめく布はオーロラをイメージ。
広々とした大浴場。奥にフィンランド式サウナ「サウナコタ」がある。
「サウナコタ」内部。フィンランド産のパイン材を取り寄せて作った。
東武伊勢崎線沿いの宮代町にある「東武動物公園」は遊園地と動物園が併設され、両方楽しめます。遊園地の「新滑空水上コースターカワセミ」は、最高速度87.2㎞/hで水上をアップダウン。非日常体験でストレスを発散できます。動物園では国内に30頭ほどしかいないホワイトタイガーが人気。白い毛並みと青い瞳は神秘的です。毎週土曜に「おやつタイム」を開催しており、先着15組で肉をあげることができます。
次のおでかけ先に埼玉北部はいかがでしょうか?
東武動物公園
遊園地内には小さい子供向けの乗り物もたくさん。動物園では約120種1,200頭の動物を飼育している。
0480-93-1200
南埼玉郡宮代町須賀110
平日9:30~17:00、土・日・祝日9:30~17:30(季節・日毎によって変動あり)
大人1,800円、中・高校生1,500円、3歳~小学生800円
6月の水曜、元日、1月の火・水曜、2月の火・水・木曜
※「ホワイトタイガーおやつタイム」についてはHPをご確認ください。
「コルネさんのスペシャルパンケーキ」(1,230円、税込)はアイスものっていて食べ応え抜群。
赤い鼻と青い頬が特徴的なマンドリル。
近くで見るホワイトタイガーは迫力満点!(お肉3切れ500円、税込)
秩父の雲海
埼玉県秩父市
埼玉県の西部に位置する秩父では絶景の雲海が見られます。秩父盆地では、夜に地表付近の空気が冷えて霧が発生することが多く、早朝にかけて雲海が見られます。秩父雲海の特徴は、観賞場所によって表情が異なること。代表的なスポットは4か所。一番標高の高い三峯神社からは壮大な雲海を、一番標高の低い羊山公園からは目線と同じ高さの雲海を観賞できます。人気なのは秩父ミューズパーク。橋を雲海が包む「天空の橋」はとても幻想的です。美の山公園からは日本の夜景100選に選ばれた夜景と雲海のコラボが見られることもあります。雲海が発生しやすいのは春と秋で、ピークは11月です。
写真提供:秩父市
秩父ミューズパークから見える雲海。標高363mにある展望台からは、雲海に浮かぶように見える秩父公園橋などを見ることができる。