ALSOK TRIP vol.15

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仁淀ブルーを体験できる「クリスタルカヤック」。川の流れはゆるやかなので初心者でも安心。仁淀川から梼原、四万十、足摺へ 高知の“青”に会いに行く

「仁淀ブルー」で話題の仁淀川。 青々と繁る茶畑や森。 岬の先に見える紺碧の大海原。 高知の自然には青があふれていました。

Photos:Naoto Shoji

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、開業日や営業時間は変更の可能性があります。訪れる際は、事前にお電話にてお問い合わせください。

仁淀川

仁淀川(によどがわ)は、西日本最高峰の石鎚山(いしづちさん)から土佐湾へ至る清流。青く透き通る水は「仁淀ブルー」と呼ばれ、近年注目を集めています。「仁淀川アウトドアセンター」では、とくに水のきれいな上流域でカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)を楽しめます。カヤックは、なんと船体が透明の「クリスタルカヤック」。座面から水中を覗きこむと、2~5mの水深でも、川底の砂や石が見えます。ときにはすいすいと泳ぐ鮎の姿を見られることも。静かな谷あいをゆっくりと漕いでいる間、スタッフがドローンや防水カメラで撮影してくれます。天気がよいと、まるでカヤックが宙に浮いているような写真を撮ることができるそう。
仁淀川上流域は県内一のお茶の産地でもあります。沢渡茶(さわたりちゃ)を栽培する仁淀川町沢渡地区の茶畑は、川沿いの山の急斜面に広がっています。お茶農家の岸本さんご夫婦は、この美しい茶畑の風景が後継者不足によって失われてしまうことを危惧して、15年前に祖父の茶畑を受け継ぎました。さらに「お茶への間口を広げたい」と、沢渡茶の茶葉を使った商品を開発し、2018年にはそれらの料理やスイーツを提供する「茶農家の店あすなろ」をオープンしました。沢渡茶入りのうどんやパン、クリームラテなどを口に入れると、沢渡茶のやさしい味が広がります。仁淀川を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

仁淀川アウトドアセンター

仁淀川の支流の中でも美しいといわれる土居川沿いにあるカヤックとSUPの体験施設。

0889-20-9619

吾川郡仁淀川町長屋6

【クリスタルカヤック体験】

2時間6,500円(8月11日~16日は7,000円)
※詳細はHPをご確認ください。
https://www.niyodo.jp/

「仁淀川アウトドアセンター」の前の仁淀川。
茶農家の店あすなろ

沢渡茶のほか、茶葉や地元の食材を活用した料理、スイーツを提供するカフェ。スムージーやラテ、ソフトクリームなどはテイクアウトも可能。茶葉も購入できる。

0889-36-0188

吾川郡仁淀川町鷲ノ巣224-6

10:00~16:00(L.O.15:30)

木曜、年末年始

https://www.asunaro-cafe.com/

「茶器で入れるお茶と茶大福のおやつ」(880円)。大福の白餡には茶葉がたっぷり練り込まれていて絶品。
店から車で約5分の岸本さんの茶畑。
テラス席からは仁淀川を眺められる。

本山

自然の中でアクティブに遊ぶなら、北部の本山町(もとやまちょう)もおすすめ。吉野川が流れ、白髪山や工石山(くいしやま)などの山々が連なり、日本の原風景が残る小さな町です。この地に「モンベルアウトドアヴィレッジ本山」があり、ラフティングやカヤック、トレッキングなどを体験できます。温浴施設やレストランも備えているので、遊んだあとは汗を流したりお腹も満たせます。

モンベルアウトドアヴィレッジ本山

アウトドアブランドのモンベルが運営するアウトドア拠点。釜で焼き上げたピザを食べられるレストランや温浴施設があり、店舗も併設。コテージもあるので泊りがけで楽しめる。アクティビティは子どもや愛犬が参加できるものも。

吉野川の急流を下るラフティング(写真はイメージ)。

0887-72-9670

ビジターセンター

長岡郡本山町本山2133-1

詳細はHPをご確認ください。
https://motoyama.outdoorvillage.jp/

「本山は自然が近くて、夜は満天の星空を見られます」と店長の山中公平さん。
敷地内にコテージやレストランなどが点在する。

梼原

中西部の梼原町(ゆずはらちょう)も山あいの小さな町。面積の91%を森林が占め、町のシンボルである「神幸橋(みゆきばし)」は、梼原産の木材を使用しています。
建築家の隈研吾氏が設計した「雲の上の図書館」も、梼原産の木材がふんだんに使われています。靴を脱いで入館すると、天井から無数の木組みが目に飛び込んできます。足元から木のぬくもりが感じられ、木の香りがただよい、まるで森の中にいるよう。
外側の茅葺(かやぶき)が特徴的な「雲の上のホテル別館 マルシェ・ユスハラ」も隈氏による設計。茅葺は町に多く見られる茅葺屋根の小屋「茶堂」に倣ったもの。中は3階までの吹き抜けで、梼原産の木材を使った柱が木々のように林立しています。町内には隈氏が「自分の原点」と語る木造の芝居小屋「ゆすはら座」もあるので、併せて訪れてみてください。

神幸橋

梼原川に架かる、橋長52m、幅員3mの屋根付きの橋。三嶋神社への参道で、町と神社を結ぶ。

三嶋神社

坂本龍馬が脱藩の際に無事を祈願したといわれている。また、境内には津野山郷の開祖・津野経高を祀る津野神社、ハリモミの巨木がある。

0889-65-1187

ゆすはら雲の上観光協会

高岡郡梼原町川西路2196

龍馬脱藩の道

三嶋神社の境内から延びる山道。坂本龍馬が土佐藩を脱藩し、長州に向かう際に駆け抜けた。

雲の上の図書館

蔵書は約6万冊。自然・歴史・創造・未来などのテーマに分かれた部屋もあり、思わぬ本との出会いを楽しめる。コンサートや映画上映などイベントも定期的に開催している。

0889-65-1900

高岡郡梼原町梼原1212-2

9:00~20:00

毎週火曜、金曜(最終週のみ)
蔵書点検日(年度末5日間)

http://kumonoue-lib.jp

ところどころに本棚のテーマを表現したジオラマが置かれている。フィギュアメーカーの海洋堂が製作。
屋根のラインは山並みを思わせる。
雲の上のホテル別館 マルシェ・ユスハラ

1階は町の特産品や名品を揃えた市場「まちの駅ゆすはら」。2~3階は全15室の客室。

茅葺は町内在住の茅葺職人が手掛けた。1階の食堂にあるテーブルや椅子も梼原産の木材を使用している。

0889-65-1288

高岡郡梼原町梼原1196-1

まちの駅ゆすはら

0889-65-1117

8:30~18:00

※詳細はHPをご確認ください。
https://www.kumonouegroup.com/marcheyusuhara

ゆすはら座

昭和23年に建設された和洋折衷の芝居小屋。平成7年に移転・復元。老朽化から取り壊しが検討された際、隈氏が保存運動に携わった。

0889-65-1187

ゆすはら雲の上観光協会

高岡郡梼原町梼原1496-1

9:00~16:30

四万十

四万十川に行くなら「道の駅よって西土佐」にも立ち寄るのがおすすめ。「水々しい市場」は、朝どれ野菜を中心に、四万十川流域の味噌や山菜、加工品を販売しています。地元の野菜や果物を使ったケーキが並ぶ「ストローベイルSANKANYA」や四万十川で獲れた天然鮎の塩焼きを食べられる「鮎市場」などもあり、楽しめます。
川の下流にある人気料理店「四万十屋」の名物は「四万十川まるごと定食」。四万十川で獲れた鮎や川えび、ごり、養殖うなぎをいただけます。「天然うな重」も美味。「天然うなぎは独特の香りや歯ごたえで、養殖とは別物。天然には天然の、養殖には養殖のおいしさがあります」と店長の田村吉教さん。ぜひ四万十川の幸を存分に味わってみてください。

道の駅よって西土佐

「水々しい市場」では、地域住民にとっての象徴である軽トラに旬の食材が並ぶ。地元食材を使った昼食を提供する「西土佐食堂」も併設。

0880-52-1398

四万十市西土佐江川崎2410-3

7:30~18:00

3~11月は無休、12~2月は火曜 (祝日の場合は営業)

「ストローベイルSANKANYA」の人気は西土佐の栗を使ったケーキ。
「四万十川 天然鮎のコンフィ缶」は、ワインと相性のよい一品。
四万十屋

1967年創業。もともと四万十川で獲った魚料理をふるまう川漁師の店だった。縁側のテラス席からは四万十川を眺められる。1階はお土産売り場で、四万十屋オリジナル商品や四万十の地場商品が購入できる。

「四万十川まるごと定食」(5,900円)。川えびの唐揚げは甘味たっぷり。うなぎは素焼きで甘辛たれ。鮎は塩焼き、ごり(ハゼの仲間)は卵とじと佃煮で。

0880-36-2828

四万十市山路2494-1

10:00~16:00(L.O.15:00)

水曜、12月31日~1月2日

土佐清水

四国最南端の足摺岬(あしずりみさき)には、その絶景を望む山の上にホテル「アシズリテルメ」があります。ラグジュアリーな空間と雄大な景観で、「リトリート(心身をリセットさせる)」や「特別な体験」ができます。人気なのが併設のグランピング施設「Dot Glampingアシズリテルメ」。ベッドに寝転ぶと足摺の絶景を独り占めできます。

アシズリテルメ・Dot Glampingアシズリテルメ

全25室の客室のほとんどはオーシャンビュー。写真はDot Glampingアシズリテルメのドームテント。全4棟ある。

0880-88-0301

土佐清水市足摺岬字東畑1433-3

※宿泊の詳細はHPをご確認ください。
https://ashizurithermae.com/

Dot Glampingアシズリテルメのドームテント。デッキでは食材を持ち込んでBBQができる。
カーテンで仕切られた半個室のレストラン。
足摺岬。高さ約80mの断崖絶壁の先端に白亜の灯台が立つ。周辺には遊歩道が整備されている。

土佐

土佐市には、高知を代表する日本酒「酔鯨(すいげい)」の土佐蔵があり、純米大吟醸を中心にハイエンド商品を製造しています。併設の「SAKE LAB CAFE」では、自社製造の麹で造った甘酒や酒粕と果実を使ったノンアルスイーツもいただけるので、お酒が苦手な方も楽しめます。
まだ知らない高知の魅力を探しに奥へと足を運んでみませんか。

酔鯨酒造株式会社 土佐蔵

1872年創業。高知市に本社長浜蔵があり、2018年に土佐蔵を設立。YouTube「日本酒女子のEnjoy SAKE チャンネル」も発信。

088-856-8888

土佐市甲原2001-1

10:00~17:00

火曜

※蔵見学の詳細はHPをご確認ください。
https://suigei.co.jp/

左は女性に人気の「純米大吟醸 弥〈Ya〉」。右の「土佐蔵倉内限定酒」は土佐蔵でしか購入できない搾りたての原酒。
最新醸造設備を揃えた酒蔵の見学ができる。写真は一度に1800kgの玄米を精米できる精米機。
シックで落ち着いた雰囲気の「SUIGEI STORE」。試飲をしたり、限定酒やオリジナルグッズを購入できる。同じ空間に「SAKE LAB CAFE」もある。
Zakerappe
知らせざる絶景スポット

柏島(かしわじま)

高知県幡多郡大月町

高知県の西南部に位置する宿毛湾(すくもわん)。宿毛湾の南に突き出た大月半島と二本の橋でつながる周囲約4kmの島が柏島です。一番の魅力はエメラルドグリーンの美しい海。船が宙に浮いて見えるほどの透明度を誇ります。豊後水道(ぶんごすいどう)と黒潮がぶつかる海域に面しているため、生息する魚の種類が豊富です。その数は日本の海に分布する3分の1、約1千種におよぶといわれています。その柏島を一望できるのが「大堂山(おおどうやま)展望台」。大月半島の南側にある大堂海岸から柏島へ向かう途中、大堂山の山頂に位置します。標高246・9mの頂(いただき)から眺める360度のパノラマは絶景です。

写真提供:大月町観光協会

「大堂山展望台」からの景色。大月町は高知県で唯一、マグロの養殖を行なっており、海上には生け簀が浮かぶ。左奥に見えるのは沖の島。

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