緑豊かな六甲山と穏やかな瀬戸内海に抱かれた美しい街「神戸」。開港150年以上が経つ今もなお、新しさを取り入れる機運に満ちています。新旧の魅力を探しに出かけてみませんか?
神戸
異国情緒漂う街のイメージがある神戸。その神戸を語るうえで欠かせない存在が、「生田神社」です。
「神社の神様のお世話をする44戸の家『神戸(かんべ)』が、神戸の地名の由来です」と語るのは、権禰宜(ごんねぎ)の澤田政彰さん。三宮の中心部にあり、参拝客が絶えない生田神社も、阪神・淡路大震災では多大な被害を受けました。
「いち早く再建させることが神戸の復興のシンボルになる」と、わずか一年半で社殿の修復を終えたそうです。社殿北側に広がる「生田の森」を歩きながら、ここが都会のオアシスであるとともに、地元の方にとって「心のオアシス」であると改めて実感しました。
いっぽう、新たなスポットも生まれています。そのひとつが、「神戸ポートミュージアム〝átoa(アトア)〟」。人気の「CAVE/はじまりの洞窟」に足を一歩踏み入れるとそこは別世界。鏡&光と優雅に泳ぐ魚たちのコラボ演出で、万華鏡の中にいるよう。圧巻は「MIYABI/和と灯の間」。光と音楽の演出とともに、日本の春夏秋冬の情景の中を錦鯉が優雅に舞い泳ぎます。
「アトアで生きものやアートとの出逢いを楽しんで、いろいろな興味関心につながれば」と営業課の廣瀬友乃さん。新たな世界が広がる新感覚の水族館でした。
神戸ポートミュージアム
AQUARIUM × ART átoa
神戸のウォーターフロントに建つアクアリウムとアートが融合した都市型水族館。1階はミュージアムショップ、2~4階は水族館となっていて、趣向を凝らした8つのゾーンで多彩な展示を楽しめます。
078-771-9393
- 住所
- 神戸市中央区新港町7-2
- 営業時間
- 10:00-19:00(最終入場は閉館30分前まで)
- 休
- 無休(メンテナンス休館日あり)
- 入場料
- 大人2,600円(中学生以上)、子ども1,500円(小学生)、幼児500円(3歳以上)、3歳未満無料
※特定日は営業時間、入場料に変動あり
詳細はHPをご確認ください。
https://atoa-kobe.jp/
神戸ポートミュージアム アトア AQUARIUM×ART átoa
生田神社
三宮中心部にあり、地元では“いくたさん”と親しみを込めて呼ばれる神社。縁結びの神様である稚日女尊(わかひるめのみこと)を祀っており、1800年以上の歴史をもちます。
078-321-3851
- 住所
- 神戸市中央区下山手通1-2-1
- 参拝時間
- 7:00~17:00(夏季は18時頃閉門)
お札・御朱印の受付は9:00~17:00 - 休
- 無休
※詳細はHPをご参照ください。
https://ikutajinja.or.jp/
三宮駅北側の北野は、高台という立地もあり、海外の方から人気を集めた雑居地です。明治時代から昭和初期にかけて建てられた200棟余りの建物も、戦火や地震などにより現在は30数棟となりました。北野観光案内所に程近い「萌黄の館」はその名のとおり、淡いグリーンの外壁が特徴のコロニアル様式の建物です。部屋ごとに模様の異なるマントルピースのタイル、歪みのある手吹きの窓ガラス、ゴブラン織りの壁紙など、凝った意匠が随所に見られます。
「香りの家オランダ館(旧ヴォルヒン邸)」にも足を運んでみました。元オランダの総領事邸だった建物では、世界一の香料原産国オランダにちなんで、「オリジナル香水」を作ってくれます。好きな音楽・花・果物などのデータの他、その人の声やしぐさ、人柄までを織り込み、ブレンダーたちが仕上げていきます。唯一無二の香りとともに、旅の思い出が一層豊かによみがえってきそうです。
港町神戸のランドマークといえば、「神戸ポートタワー」です。このたび耐震・改修工事を経て、2024年4月にリニューアルオープン。屋上に、ガラスに囲まれた空中回廊が新設されました。心地よい風に吹かれながら神戸の海、山、空、街を360度見渡すことができます。
展望3階のカフェ&バーは、回転床を生かした空間。約30分で1周し、移り変わる神戸の風景を眺めながら食事を楽しめます。他にもギャラリーやショップなど、新しい神戸ポートタワーは見どころが満載でした。
香りの家オランダ館(旧ヴォルヒン邸)
ノスタルジックな雰囲気が魅力の元オランダ総領事邸。2階建ての木造建築は、大正中期の寄棟造り。花の国オランダにちなみ、四季折々の花に囲まれた前庭も美しい。
078-261-3330
- 住所
- 神戸市中央区北野町2-15-10
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 休
- 無休
- 入場料
- 大人700円、中高生500円、小学生300円
※オリジナル香水は、大人1本9ml 3,960円。
※詳細はHPをご参照ください。
https://www.kobeijinkan.com/ijinkan_list/holanda_kaori
萌黄の館
明治36年(1903年)、アメリカ総領事であるハンターシャープ氏の邸宅として建築された洋館です。2階にあるサンルームからは、神戸の街並みを一望することもできます。
078-855-5221
- 住所
- 神戸市中央区北野町3-10-11
- 営業時間
- 9:30~18:00(入館は17:45まで)
- 休
- 2月の第3水・木曜日
- 入場料
- 大人400円(30名以上は団体料金)、高校生以下および65歳以上の神戸市民は無料
※詳細はHPをご参照ください。
https://www.kobeijinkan.com/ijinkan_list/moegi
北野観光案内所
北野をはじめ神戸の街を楽しく観光するための情報が一堂に揃います。地元ガイドは要予約。
078-251-8360
- 住所
- 神戸市中央区北野町3-10-20
- 営業時間
- 9:00~18:00(3月~10月)、~17:00(11月~2月)
- 休
- 12月31日、1月1日
神戸ポートタワー
1963(昭和38)年誕生、港町神戸のランドマーク。鼓を長くしたような美しい外観は、その優美さから「鉄塔の美女」とも。展望フロアと屋上デッキから見渡す大パノラマは圧巻!
- 住所
- 神戸市中央区波止場町5-5
- 営業時間
- 展望フロア・屋上デッキ9:00~23:00
※入場ゲートの最終受付は22:30。
各フロアの営業時間については、WEBサイトを参照。 - 休
- 無休(メンテナンス休業日・貸切営業日を除く)
- 入場料
- 展望フロア+屋上デッキ:大人1,200円(高校生以上)、子ども500円(小学生以上中学生以下)
展望フロアのみ:大人1,000円、子ども400円。
未就学児無料
https://www.kobe-port-tower.com/
港町神戸のランドマーク 神戸ポートタワー
淡路
神戸から明石海峡大橋で結ばれている淡路島まで足を延ばしてみました。全長3911m、世界最大級の吊り橋から眺める絶景パノラマもすばらしいですが、明石海峡を渡りきった先、橋のふもとにある「道の駅あわじ」から眺める景色も見逃せません。
心地よい島風に吹かれて向かった先は、「ニジゲンノモリ」。広大な兵庫県立淡路島公園内にある、アニメ×テクノロジー×自然をテーマとした新感覚テーマパークです。テクノロジーを駆使し、自身が作品の中に入り込んだかのように感じられるアトラクションや、二次元コンテンツの世界観を踏襲したアクティビティなどのほか、コラボメニューなどのグルメやニジゲンノモリ限定グッズなど、二次元を超えた世界を満喫できます。
ニジゲンノモリ
「ドラゴンクエスト」や「ゴジラ」など、人気アニメやゲームの世界観を体験できるアトラクションが充実。
0799-64-7061
- 住所
- 淡路市楠本2425-2
- 営業時間
- 10:00~22:00
- 休
- 無休
- 入場料
- 入園料/無料(アトラクション利用料別途要)
※詳細はHPをご参照ください。
https://nijigennomori.com/
明石
新感覚のテーマパークをたっぷり楽しんだら、明石海峡に面する明石市へ。市内には名物の「明石焼」のお店が約70軒点在しているそうです。食材の宝庫「魚の棚商店街」の弁天様の隣にある「たこ磯」を訪れました。三つ葉入りのだし汁がよいアクセントとなり、ふんわり食感の明石焼の味を引き立てていました。 「ふんわりとした食感の秘密は、小麦粉のでんぷんを精製した〝じん粉〟にあります」と、鈴木英昭さん。創業者である母親の味を引き継いでいます。
魚の棚商店街
明石近郊の台所として賑わう商店街。魚介類や練り製品の店など、100店以上が軒を連ねます。
たこ磯
明石で獲れた鮮度抜群な大粒なタコを、ふわふわの卵の生地で包んだ明石名物の玉子焼(15個入り800円)。人気店なので、行列覚悟で訪れてみて。
078-913-5656
- 住所
- 明石市本町1-7-14
- 営業日
- 平日 11:00~19:00、土日祝10:30~19:00
- 休
- 無休
有馬
神戸のシンボルでもある六甲山の北麓には名湯・有馬温泉があります。公共の外湯は褐色の「金泉」と、無色透明な「銀泉」。湯巡りの他に風情ある温泉街の散策もおすすめです。ダイナミックな眺望を楽しむなら、有馬温泉と六甲山頂を結ぶ「六甲有馬ロープウェー」の空中散歩へ。急斜面を走行し、六甲山系で最も深い谷を渡り、12分後、山頂駅へ到着。ひんやりした澄んだ空気と鳥の鳴き声に包み込まれました。眼下に広がる神戸の街と海を眺めながら、神戸の魅力は自然との近さにもあることを改めて実感しました。
六甲有馬ロープウェー
六甲山頂駅と有馬温泉駅を約12分間で結ぶロープウェー。空中散歩を楽しみながら、四季折々に移ろう六甲山の自然を間近に感じることができます。
078-891-0031
- 住所
- 神戸市灘区六甲山町北六甲4512-336
- 営業時間
- 春(3/20~7/31)9:30~17:30(土日祝~18:10)、夏(8/1~31)9:30~20:10、秋(9/1~11/30)9:30~17:30(土日祝~19:10)、冬(12/1~3/19)9:30~17:10
- 休
- 無休(点検運休日あり)
- 料金
- (片道)大人1,030円、小人520円
(往復)大人1,850円、小人930円
※詳細はHPをご参照ください。
https://koberope.jp/rokko
絶景広がる空中散歩 六甲有馬ロープウェー
有馬温泉
太閤・秀吉も愛した関西の奥座敷で、日本三古泉の一つ。湯巡りを楽しみながら、温泉街をゆっくり散策。金泉が湧き出す御所泉源をはじめ、泉源も各所で見ることができます。