ALSOKのマテリアリティ5

地球環境への配慮

 地球環境問題は人類共通の課題であるという認識のもと、CO2排出量などの削減目標を掲げ、環境汚染の防止と環境負荷低減に努めるとともに、気候変動問題および自然環境保護活動に取り組んでいます。

方針・推進体制

環境方針

 綜合警備保障株式会社は、警備業を中核とした事業を提供するリーディングカンパニーとして、地球環境題が人類共通の課題であるとの認識のもと、経営理念である「ありがとうの心」と「武士の精神」をもって、持続可能な社会の実現を目指すべく、環境方針を制定し、環境マネジメントシステムの継続的改善に取り組みます。

CSR・サステナビリティ調達指針

 取引先を含めたサプライチェーン全体で地球環境保全や人権・労働、汚職・腐敗などのさまざまな課題解決に取り組むため、2022年、「CSR・サステナビリティ調達指針」を新たに制定しました。この指針への賛同を、調達先としての新規契約の条件としています。

 取引先と協力して資源の有効活用や廃棄物の発生抑制など、地球環境保全に積極的に取り組むとともに、人権に関する国際規範を踏まえ、サプライチェーン全体の人権の尊重を推進しています。
 2022年には、「CSR・サステナビリティ調達指針」に基づき、警備機器の既存調達先290社に対して環境保全や人権侵害リスクへの取り組み状況に関するアンケートを実施しました。この結果を踏まえ、各調達先の取り組み状況に応じて、フォローアップや講習会の開催など、必要な対策を検討してまいります。

ISO 14001の全社取得に向けて

 ALSOKでは2016年に「環境方針」を制定してISO 14001認証を取得し、2018年には全国の支社に認証を展開しました。2019年より複数の会社での共同認証に移行し、2023年3月末現在、2022年度にALSOKグループ入りした2社を除くグループ全社で認証を取得済みです(取得率97.3%)。

ALSOKにおける気候変動等への対応

CO2排出量削減目標

 2022年度、ALSOKグループ全体におけるCO2排出量は83,116t-CO2(前期比▲2.38%)、売上高原単位では0.170t-CO2/百万円(前期比▲2.26%)となりました。

 2023年度は「ALSOKグループ全体におけるCO2排出総量の前年比4.8%削減」および「ALSOKグループ全体におけるCO2排出量(売上高原単位)の前年比8.52%削減」を短期目標としています。また、中・長期目標についても見直しを行い、「2030年度までにALSOKグループ全体におけるCO2排出総量2013年度比46%削減」、「2050年度までにALSOKグループ全体でカーボンニュートラル達成」することを目指します。

  1. 2022年度目標の設定時期を考慮し、当該年度におけるグループ会社買収の影響を除外しています。

カーボンニュートラル実現について

  • CSR・サステナビリティ調達指針

     2022年に「CSR・サステナビリティ調達指針」を定め、新規のお取引先様に対し環境配慮への賛同を求めています。また、警報機器配送の際、メーカーからの個別配送を減らし、倉庫から全国の事業所へ同梱発送をすることにより、環境負荷を低減しています。

  • エネルギー使用の削減に向けた取り組み

     自社所有施設のLEDへの切替や、社員寮、グループ会社における太陽光発電システムの導入により、エネルギー使用に伴うCO2排出量の削減を目指しています。さらに、設備のリニューアルによる省エネも推進しています。

  • 環境対応車両への入れ替え

     業務上、車両を多く使用するALSOKでは、電気自動車やハイブリッド車への積極的な入れ替えを推進しています。
    それぞれの業務形態に合った環境配慮車両を導入することで、CO2排出量削減に貢献します。

機械警備隊員の使用する電動バイク
LED照明を導入しているALSOK東京研修所
太陽光発電システムの導入(イメージ)

イニシアティブへの参加

 CDP気候変動質問書への継続的な回答(2023年評価「B」)や、気候変動に関する国内イニシアティブ(JCI気候変動イニシアティブ)にも賛同・加盟しています。2020年1月より、地球環境問題の解決と持続可能な開発に貢献することを目的として発足したNGOである地球環境行動会議(GEA:Global Environmental Action)に会員企業として加盟し、事業活動費として3,000千円を寄付しています。

 さらに、2022年2月には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同の署名を行い、2023年5月にはGXリーグへ参画しています。

TCFD提言に基づく開示

 2022年2月、ALSOKは金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)の提言に賛同しました。

 TCFDが提言する開示フレームワークに沿って気候変動関連リスク・機会分析を行い、その結果をコーポレート上で開示しており、今後も分析の深掘りと開示内容の充実を図っていきます。

  • ガバナンス

    「環境委員会」および「環境マネジメント部会」を組織し、環境対応の計画立案、実施、レビューを行い、取組状況を取締役会に報告しています。

  • 戦略

    2℃シナリオおよび4℃シナリオを想定した気候変動リスクと機会を特定し、リスクへの対応策とALSOKが提供可能なサービスの検討を行いました(分析結果詳細は、Webページ「https://www.alsok.co.jp/company/society/tcfd/」をご覧ください)

  • リスク管理

    「環境マネジメント部会」で特定・評価されたリスクに対して、適宜、対応策の検討・進捗管理を行っており、その内容は「環境委員会」に報告、審議しています。また、特にインパクトの大きいリスクについては、「リスク管理委員会」に連携し、共同で管理する体制を敷いています。

  • 指標と目標

    目標 内容
    短期目標 ①2023年度のALSOKグループ全体におけるCO2排出総量を前年比4.8%削減
    ②2023年度のALSOKグループ全体におけるCO2排出量(売上高原単位)を前年比8.52%削減
    中期目標※2 ①2030年度までにALSOKグループ全体でCO2排出総量を2013年度比46%削減
    ②2025年度までにCO2排出量(売上高原単位)を2013年度比57.2%削減
    長期目標 2050年度までにALSOKグループ全体のスコープ1+2でカーボンニュートラル達成
    1. ※1スコープ2はマーケット基準を用いて算出しています。
    2. ※2ALSOKグループの中期目標の再設定にあたり、2022年7月のグループ会社買収によって生じた構造的変化を加味し、基準年度排出量の再計算を行いました。

生物多様性の保護

有害鳥獣対策

 有害鳥獣による森林・農作物被害は年々拡大しており、生態系などにも影響を及ぼしています。

 ALSOK千葉では、捕獲等事業の認定を取得し、有害鳥獣捕獲代行業務を行っています。さらに、2020年にはジビエ工房を開設し、捕獲したイノシシなどを幅広く引き取り解体、加工、販売までを一貫して行っています。加工した食肉は、連携する地域の飲食店で販売するほか、冷凍品のネット販売も開始し、フードロス削減にも貢献しています。

ALSOK千葉 ジビエ工房

植樹活動

 ALSOKの植樹活動は、会社の創立50周年記念事業をきっかけとして、2015年に千葉県で始まりました。2021年からは新たに「(公財)鎮守の森のプロジェクト」に参加し、植樹活動に取り組んでいます。福島県南相馬市で開催された植樹祭に社員が参加して植樹を行い、さらに市民の方々とも交流を深めています。

 また、グループ会社においても防潮堤の植樹を行うなど、環境保全だけでなく、防災林の再生による被災地の「安全・安心」に貢献することで、ALSOKらしい社会貢献活動を推進しています。

関連リンク

循環型社会の実現に向けて

開発・調達過程における環境配慮

 循環型社会の構築により一層貢献するため、新たに制定した「CSR・サステナビリティ調達指針」に則り、警報機器の同梱発送による梱包材削減を推進するなど、取引先と協力して取り組んでいます。

 また、RoHS指令への準拠や、省エネルギー化、省資源化、リユース・リサイクル、長寿命化などを意識した設計について規定した社内ガイドラインとして「環境配慮設計に関わるガイドライン」を策定しています。本ガイドラインに基づき、お取引先と協力して製品を設計・開発する際の環境配慮を検討しており、2023年4月に発売された「HOME ALSOK Connect®」は、従来製品と比較して約1/4以下の消費電力となっています。

3R(リデュース・リユース・リサイクル)への取り組み

 当社では、警報機器のリユースを行うことにより、廃棄物および製造に係る資源使用量の削減に取り組んでいます。

 また、2022年8月にリユース業務の業容を拡大するため、現在、神奈川県にあるリペアセンターの増床を行ったほか、大阪地区へリペアセンターを新設いたしました。

2022年度 Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)削減効果
4,142t-CO2 前期比▲4.1%
関連リンク

水リスクへの取り組み

 ALSOKグループは工場等の製造設備を有していないものの、M&Aにより介護事業に進出したことから、水資源の重要性を認識し、水の使用量の削減に努めており、グループで節水に取り組んでいます。なお、グループ全体としては、2019年から5か年で(2024年3月期までに)水使用量3.0%削減推進を目指し取り組みを始めており、水質や水量に関する規制違反はこれまでありません(0件)。